秘密の部屋
二人はゆっくりと地下に続く階段を下りて行った。
下りる途中レオンはある事を思い出す。
「なぁ、そういえば俺昔からある疑問があったんだ」
「なんだ?」
「この家は都会からかなり離れているから、別に建てる金は安いとはずなんだが、それでも俺達家族は生きるのに必死なくらい金がなかった。じゃあ、どうしてこんなデカい家が建てれたんだ?」
クリスは笑って言った。
「お前知らないのか?この家は祖父さんの金で建てられたんだ!で、俺達はこの家に住ませてもらってたんだ」
「それじゃ、祖父さんって金持ちなのか?」
「らしいな・・・なんか飲食店を経営していたとか」
「でも、俺達は貧しかったよな?」
「いくら金があっても俺達に回ってくる金は無かったって事だ」
「それって・・・」
「あぁ、たくさんの金を死んだ祖父さんは何に使っていたかってことだ」
クリスとレオンは階段を下り、目の前にあるドアを押した。
二人は目の前の光景に驚いた。
「これが答えだ・・・」
そこには見た事もない道具や兵器、それに車や色々な部品が散乱している。
二人はゆっくりとその部屋に足を踏み入れた。
「なんなんだ・・・この部屋は?」
レオンは机の上に置いてある一枚の地図らしきものを発見し、クリスを呼んだ。
「これは見る限りどこかのビルの設計図かなにかか?」
「おいこれ見て見ろ!」
クリスは近くに大量に置かれた資料らしきものをレオンに見せた。
「これ・・・全部レオナルド・コール氏の事に関するニュースじゃないか?」
「レオナルド・コールってあの世界一といってもいいほどの大企業のトップいわば大富豪」
「それじゃこのビルの設計図も・・・」
「いや、この構想はビルなんかじゃないぞ」
「この形、この創りはどこかで見た事のある」
「・・・銀行だ」
「もしかして!?」クリスは過去の新聞を探った。
レオンは周りを見回す。
「あったぞ!」クリスが手に取った新聞は今から4年前の一つの記事だった。
そこにはこう書かれていた。
「世界一の男、世界一の銀行建てる」
「腐るほどの金を持っているんだから他人の銀行になんて預けられないだろ?」
「だから自分で設計して、ここに金を預けたんだ」
「レオナルドの銀行の設計図・・・そしてこの部屋にある道具」
「祖父さんはとんでもないことを計画していたんだ」
『赤に従えば、金に染まる』
「この言葉の意味はあの本棚の赤い本を手に取れば、億万長者の金が手に入るってことなんだ」