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ギブ・マネー・バック  作者: yiyi
16/30

王を知る者

ビー!!大きな音がなり、1時間の休憩になった。

「休憩の時間だ!」と看守の声と共に房の扉が開く。

すると大量の囚人が房から出て仲間の所へ向かう。

クリスは下の階にいるドミニクという男の所へ向かった。

ドミニクはベッドに座ってじっと壁を見つめていた。

「あんたドミニクだろ?」

「何の用だ?新入り・・・」

「少し話がしたいんだが」

「俺とはやめとけ」

「どうして?」

「俺は嫌われ者だからだ」

「それでも構わないさ、あんたとしかできない話があるんでね」

ドミニクはクリスを見て「入れ」と房の中へ誘った。

「で?話ってなんだ」

「レオナルド・コールドって男を知っているか?」

その言葉でドミニクはまたクリスを見た。

「知らないと言ったら?」

「いいや・・・あんたは知っているさ」

「なぜそう言いきれる?」

「俺はあんたの記事を見たんだ。かつてレオナルドと親友だったがあの男は金に染まり、あんたはそのレオナルドの金に染まった」

「その口ぶりだと知っているようだな」

「あぁ・・・あんたは俺と同じ奴の金を狙った者同士だからな」

ドミニクは笑って言った。

「だったら、なぜ俺に近づく?」

「あんたの力を借りたいからだ」




クリスが刑務所行きになってから、レオンは一人となった。

アシュリーからの連絡も無く、ただただ毎日酒を飲みぶらついていた。

しかしある晩、ある者達に背後から黒い布を顔に被され拉致された。

しばらくして布が外された。

明るい光が急に入り込み前は見えず、身体は椅子にロープで縛りつけられている。

徐々に光にも慣れ辺りの状況が理解できた。

「あんた達は・・・?」

「探したぜ~レオン・ハヴィンド」

そこには以前車で追ってきた世界最凶ギャングのセシルがいた。

「お前はどうやら麻薬代の100万ドルが左肩に乗っているな~そして右肩にはレオナルド・コールドの金って訳だな」

「なんのことだ?」

「とぼけるな!!俺らは両方欲しいんだよ~いや、左肩の重みはどうでもいいただ右肩の大金だけよこせ!」

「あいにくだが両方無いんだよ」

「そうか・・・」

セシルはレオンの右肩にナイフを刺した。

レオンは大声で叫んだ。

「ならば簡単な話をしてやる。奴の金はもういい・・・ただ100万ドルの金はお前の体のパーツを売ればチャラになるだろうな」

「ま、待て!」

レオンは大量の汗を掻いて、頭脳をフル回転させた。

「奴の金はある・・・ただ俺は持っていない」

「じゃあ、誰が持っている!?」

「俺の兄貴だ」

「お前の兄?・・・クリス・ハヴィンドか?あいつは確か・・・」

「刑務所の中だ。詳しく言えば15年は出られない鍵のかかった部屋の中だ」

「こいつ・・・なめやがって」


話していると奥から一人の男がやって来た。

「私を知っているかレオン?」

「あいにく俺はそっちの世界に興味がないんでね」

「そうか、私の名はエドガー・ジョンソンっと言えば分かるかね?」

「エドガー・・・もしかしてギャングの世界を仕切っている・・・架空の人物と思っていたのに」

「そうだ・・・まぁギャングのボスと言ったとこかな」

「またそんなお偉いさんがなんでだ?」

「まだ気づかないか?私がわざわざ出向くほど、お前達兄弟がやったことはデカいという事だ。」

「でも、俺はあの金を持ってないぞ」

「貴様の兄貴が持っているんだろ?では、簡単な話だ。その兄貴に直接聞くとしようか」

「一体どうやって?」

「ん~面会という手もあるが、それでは奴は口を割らんだろうな・・・では、お前の兄貴を脱獄させてやる」

「そんなことできるわけない」

「まだ分かっていないようだな・・・私の存在を・・・」

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