文章にもならない超短編 Ⅰ
ホームページ「文月の朝になる」に載せている超短編のまとめです。
三本ほど溜まったらコチラに載せます。
《ある日の執務室》
①籠目とルルーシュの場合。
「ねぇ、ルルーシュ」
「籠目様、無駄口たたく前に仕事を終わらせてください。それとも、もう終わったのですか? 本の記憶が終わっても新事業の書類が山程ごさいますよ」
「いや、仕事は終わってないんだけど。……少し休憩にしない?」
「は? まだ五時間しか経っていませんよ。寝言は寝て言ってください」
「ルルーシュは相変わらず毒舌だね」
「籠目様が下らないことをおっしゃらなければ言いません」
眉間に皺を寄せて執務室から出て行くルルーシュ。
――五分後。
「いいですか? お茶を飲み終わるまでです。わかりましたか?」
「うん。ありがとう、ルルーシュ」
何だかんだで籠目に優しい宰相閣下。お茶には勿論、茶菓子付きです。ツンデレ風味にしたつもりですが、失敗?
②ダークと宰相閣下(名前未定)の場合。
「…陛下、どちらに行くおつもりで?」
「籠目の所に決まっているだろう」
「仕事がまだございますが?」
「戻ってきてからやる」
「…仕事を放り出して行っても籠目様は喜んだりなさらないと思います」
「俺が会いたいんだ」
ダークが扉に手を伸ばすと、バチンと言う音と共に弾かれる。宰相を睨みつけるダーク。涼しい顔で仕事を続ける宰相。
「…殺されたいのか?」
「殺してくださってもいいですが、仕事が益々終わらなくなりますよ」
「………この束が終わったら休憩にしろ」
「十五分だけですよ」
俺様、何様、魔王様なのに尻にひかれているダーク。勝手な思いこみですが、権力者の半数は有能な部下に頭が上がらないと思います。
《紫信の恋愛(?)相談》
時間軸は未来。
紫信と彼方は交際中。
「叔母さん、ちょっと相談があるんだけど今良い?」
「いいよ。シノちゃんが相談なんて珍しいね」
「そうかな?」
「そうだよ。それで、どんな内容?」
「あー、うん。まぁ、その、彼方のことなんだけど」
「彼方君? 何、溺愛っぷりが常軌を逸脱し始めたとか?」
「……いやいや、そこまでじゃないよ。そこまでじゃ」
「シノちゃん、悩んだよね」
「その、どこまでが普通なのか一瞬分からなくなって」
「あぁ、確かにね。自分の常識と世間一般って違ったりするものね。因みに、何で悩んだの?」
「えーと、私が同い年ぐらいの男の人と話してると物凄い笑顔で追っ払うとか? 会話の節々で永久就職を匂わせてくるとか? まだ16歳なのに結婚指輪が用意してあるとか? 気づいたら外堀が埋められていて答えが1つしかないとか?」
「わぁ、彼方君本気だね」
「うん。プロポーズもされてないのに周囲から結婚するんだよね? っていう空気が出てるのが結構怖い」
「それって彼方君、計算してやってるんだよね?」
「…計算以外にあるの?」
「なんて言うか、彼方君の場合無意識もあるかなって」
「………否定出来ない。というか、無意識の方が彼方の性格に合ってる気が」
「まぁ、愛と金と権力の3拍子が揃ってるんだし、なんとかなるよ」
「…おまけに美形だしね」
「…嫉妬も彼方君が無意識に追っ払ってくれるかも?」
「叔母さん、今度嫉妬の回避法と対象法教えてくれる?」
「勿論いいよ(結婚はシノちゃんの中でも決定してるんだね)」
何だかんだでバカップルです。
《もしも好きなだけお酒を飲ませたら?》
全員成人している設定。
①籠目の場合
「あははは、何かすっごく楽しいね。あははは……ぐぅ」
笑い上戸になって、意味もなく笑いまくる。そして爆睡。翌日は確実に二日酔い。
②ダークの場合
酔わない。ざるも越えて枠の域。籠目が飲んでいれば笑い上戸になる。
③クラッドの場合
「籠目様は素晴らしいです。世界一のこの世界で最も素晴らしい方です。容姿も性格も文句の付け所など存在しません」
軽く酔う。顔色一つ変えずに籠目を褒めまくる。お開きになる少し前に抜けて、後片付けはしない。
④ルルーシュの場合
「わ、わたしは、いつも、いつも、ひっ、ひっしに働いてい、います! なっ、なのに! なのに! うあぁぁー」
キャラ崩壊。泣きながら怒ったり愚痴ったりする。近くに籠目やダークなどの気を許せる人がいると絡んでくる。翌日は確実に二日酔い。しかも記憶なし。
⑤紫信の場合
「うん。これ美味しい。あっ、つまみも美味しい。作り方教えて欲しいな」
適度に酔う。お酒に特別強い訳ではないが弱い訳ではない。二日酔いもしない。
⑥彼方の場合
「紫信さんはとても愛らしいです。可愛らしいです。世界一の女性です。絶対に誰にも渡しません。あぁ、大好きです。愛しています」
永遠とノロケる。紫信が居れば口説き続ける。クラッドがいると「世界一の女性」辺りで口論になるが、世界一の妻or主人で決着する。二日酔いには偶になる。
おまけ
ランドルフの場合
「……ぐすっ」
無言で飲み続けて、無言で泣く。ひたすら泣く。最後は友人などに慰めて貰いながら部屋に送ってもらう。
紫信・彼方・ランドルフは普通のお酒。その他はコンクエストヴェールンスの特別なお酒です。そうでないと酔えないので!
まぁ、ダークはそれでも毒耐性が強すぎて酔えないですが。