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第6話  腕輪物語 ~世界の終焉ぶっ壊す!!~

ぼんやりと広がる真っ青な空はどこまでも高々と広々とがっている。と言うのに少年ライ・ラックの薄曇りの心は晴れない。


「……腹減ったなぁ」


貧民街の傾いた屋根の上に寝転がったライは、小石を空に向かってヒュッと放り投げた。

指先を二本、軽く持ち上げる。それだけで小さな風が巻き起こり、落下しかけた小石が空中でピタリと静止した。もちろん、石を浮かしたところで一向に減った腹の足しにはならない。


チリリ……カシャカシャッ。


行き場を失った余剰魔力がオーバーフローを起こし、貝殻が擦れ合うような音を立てて天へ昇っていく。ライは目を細め、その音に耳を澄ませた。


――パシッ。


最後に短く乾いた音を立てて、魔力が空中で弾け飛ぶ。

ライはこの瞬間がたまらなく好きだった。魔力を使って何かを成し遂げるよりもこうして自分の力が自然へ還り、無駄に消費されていく様に、奇妙な優越感を覚えるのだ。


視線を横に向ければ、貧困街と中流層の街を無慈悲に隔てる、高くて頑丈な城壁がそびえ立っている。

あんな壁、越えられない。だが空に弾けた俺の魔力だけは、壁の向こうの連中を見下ろしながら消えていくのだ。


「おーい!ライ!いるんだろ?また飯取りに行くけど行くか?」

屋根の下からラヴィの声がする。いつもの子分たちも一緒の様だ。

「あぁ今行く!俺も腹ぺこだよ!今日は飯の足りない奴の分もやってやろうぜ!!」


そう言ってふと見上げると青色の彗星が流れていく。

ライは何かあるかもしれない。冷たい風が流れ、直感的に感じた。


(いや。いいじゃん。)


ライは微かに口角を上げた。こんなふざけた街より、絶対にいい事が待っている……筈だ。

躊躇いもなく、ライは三階相当の傾いた屋根から、ラヴィたちの待つ路地裏へと飛び降りた。


少年たちは悪臭の漂う地下道へと走っていく。

新しい世界を見て回るのだと。

ライ達は心に決めていた。

こんなフザケタ町で終わっていい筈なんかない。

本物の自由を手に入れるのだ。

その為なら何でも。何でもやって是が非でも生き残ってやる。

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