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12.【SpaceXのコスト削減革命と核熱推進エンジンの技術解説】


セサミン(小さな恐竜キャラ)

「博士! SpaceXの打ち上げコストが10分の1ってどうやったの? それと『核熱推進エンジン』ってロケットを核爆発で飛ばすの!?」


ごま博士(白髪の研究者)

「おっと、核爆発じゃないよ(笑)。一つずつ、技術の核心を解説しよう!」


■ SpaceXの打ち上げコストが10分の1になった理由■

【従来のロケット(例:ULA「アトラスV」)】

打ち上げコスト:約 1億5000万ドル(約165億円)


問題点:


使い捨てロケット:毎回新品を製造。


複雑なサプライチェーン:部品を各国から調達。


【SpaceXの革新点】

技術・戦略具体的内容コスト削減効果

1. ロケットの再使用ファルコン9の第1段を着陸回収→整備して再利用打ち上げコスト 60%減

2. 垂直統合製造エンジンから電子機器まで自社一貫生産(外部依存ゼロ)部品コスト 70%減

3. 簡素な設計メタン燃料エンジン(従来の水素より安価・扱い容易)燃料費 50%減

4. 大量生産工場でロケットを流れ作業で組み立て(自動車並み)製造時間 80%短縮

セサミン

「ロケットを『使い回し』するなんて、車みたいだね!」


ごま博士

「その通り! SpaceXは**『ロケットを家電製品のように』**考えたんだ。イーロン・マスクは『宇宙への定期バスを作る』と言ってるよ」


■ 核熱推進エンジン(NTP)の仕組み■

【従来の化学ロケット(例:サターンV)】

原理:燃料ケロシン+酸化剤(液体酸素)を燃焼→爆発的膨張ガスを噴射。


問題点:


比推力(※)が低い(約450秒)→火星まで7ヶ月以上かかる。


燃料効率が悪く、大量の推進剤が必要。


※ 比推力:エンジンの効率指標。「1kgの燃料で1kgの機体を何秒加速できるか」を表す。


【核熱推進エンジン(NTP)】

原理:


原子炉で水素ガスを2000℃以上に加熱。


超高温ガスをノズルから噴射→化学ロケットの2倍の比推力(約900秒)。


メリット:


火星往復期間が4ヶ月に短縮(宇宙飛行士の被ばく・ストレス激減)。


燃料消費量が3分の1で済む。


セサミン

「原子炉って…放射能漏れしないの?」


ごま博士

「大丈夫! NTPは**「核分裂」ではなく「加熱」のみ**を使う。宇宙空間で使用するから、万一の際も大気圏外で処理できるんだ」


■ 従来エンジン vs NTP 比較表■

項目化学ロケット核熱推進(NTP)

推進原理燃料の化学反応原子炉で水素加熱

比推力~450秒~900秒

火星到達時間7ヶ月4ヶ月

安全性爆発リスク放射線遮蔽が必要

開発状況実用化済みNASA/DARPAが2023年実験開始

セサミン

「NTPってすごい! でもなんで今まで作らなかったの?」


ごま博士

「実は1960年代にアメリカで実験してたんだ。でも『冷戦終結』と『放射能への懸念』で凍結…。今は新型遮蔽材と小型原子炉の進歩で再び注目されてるんだよ」


■ NTPの核心技術■

1. 燃料粒子の革新

従来:ウラン燃料に**「ゼオライト」**を使用→高温で劣化。


新型:「炭化ウラン」コーティングで3000℃耐性を実現(NASA・BWXT社開発)。


2. 水素の超高速加熱

原子炉内で水素ガスを**0.001秒で2000℃に加熱する「流路設計」**が鍵。


3. 放射線遮蔽

宇宙船の居住区を守るため、**「水+リチウム」**の複合シールドを採用。


【まとめ】「宇宙輸送の二大革命」が火星有人化を加速

SpaceXのコスト削減:


再使用ロケット×垂直統合で「宇宙への定期便」を実現。


核熱推進エンジン:


原子炉の熱で水素噴射→火星旅行を「船旅並み」に短縮。


セサミン

「僕が大人になる頃には、火星行きが普通になってるかも!?」


ごま博士

「そうなるといいね! でも忘れないで。ごまの抗酸化力が宇宙飛行士を守るんだからね!」

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