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いまのむかし

好きな格闘技はなんですか?

相撲、ボクシング、ヤクザの喧嘩。離小島のトーナメント、地下闘技場。数えきれませんね!

endigoは剣道を中高校をやってました。弱者ですけどね二段は取りましたよ?でも、先輩ら同級生に虐められる運命だったし、後輩ができても「自分、ガチにやんないんで」みたいな雰囲気だったし。

何よりあの頃って…不謹慎ですね。辞めときます。

ここまでの提供は

「格ゲーは主人公キャラ、主に癖の強いキャラを使いたいし、好んでいるendigo」と

「くだらないと言いつつ、パチやスロなど趣味で金を溶かし、弱者にたかるゴミ虫で陰キャだけど自分はまともだと考えなきゃ生きていけない、リビングデッド」

の提供でお送りしました。

午前零時です

名前、なんていうんだ?

…ふじのしい。

どうして欲しい?何を願う?

…お金がほしい。お金があれば、トモダチとかゴハンとかあるんでしょ?

それだけでいいのか?他に欲しいのは無いのか?

…どうしてかまってくれるの?お母さんも、お父さんも、そんなにかまってくれたことなかったのに…




「おい、死んでないよな?」

からだをゆすられる。

「…ん?…だれ?」

せっかく寝てたのに、起こされてしまった。

「生きてるな」

知らない人はしいを確認すると、台所に戻った。

しいの知らないお家だった。

「ここ…どこ…?」

「…お前の家だ」

「しいのお家?」

「そうだ」

前のお家より少し広くて、ものがすくない。

「朝ごはん出来たぞ。テーブル…イスに座りなよ」

「…うん」

ごはんのじかん、すきじゃない。

たべないとたたかれる。たべなきゃ…

「はい、どーぞ」

「…」

「どうした?嫌いなもん入ってたか?」

「…ない」

「なら食べれる…食べたくないか?」

首をふった。

「なんだ?」

「…これ、なーに?」

「え…えっと、パンと卵で甘く焼いたやつと、ニンジンとタマネギのスープ…食べれそうか?」

うなずく。

「それじゃあ、召し上がれ」

「…いただきます」

手でアツアツのパンをかじった。

「どうだ?おいしいか?」

「…おいしい」

「そうか…パンはおかわりあるから、食べたくなったら言ってくれ」

知らない人は自分のゴハンを取りに台所へ戻った。

パンがおいしい…アツいけど、そのままもうひとつパンを口の中に入れた。カップのスープはどうだろうか…?つめたい。つめたいけど、おいしい。

「おっと、口の周りがベトベトだな…」

知らない人はしいの口を、お洋服のソデでふいた。

「…ごめんなさい」

「なにがだ?」

「…お洋服、よごしちゃった」

「別に?洗えばいいだろ?」

「…」

お母さんとは違った。

「パン、おかわりするか?」

「…」

「しばらくこのパンはおやすみになるけど、それでも食べないか?」

「…たべる」

「おっけー。持ってくる」

知らない人はまた台所に戻った。

しいと同じゴハン。前のお家とは違った。

「はい…今度はアツアツじゃないけど、冷めてても美味しいからね」

知らない人はしいにパン2つくれた。

しいの前に知らない人は座る。

「いただきます」

「…ます」

「ん?」

お皿に乗ってたパンとカップのスープは、おなかにないないした。

「…ごちそうさまでした」

「おそまつさまでした」

ずっと気になってたことを聞いてみる。

「…知らない人はどこのだれさん?」

「あ?あー…名前ないんだよね」

「…おなまえ、ないの?」

「ない。君は?」

「…ふじのしい」

「ふじの、しい、ね。覚えた」

「…なんてよべばいい?」

「そーだなー。知らない人でもいいよ」

「…なんかやだ」

「嫌なのかよ。じゃあ、名前つけてくれよ」

「…しいが、おなまえつけてもいいの?」

「いいよ。これからそう名乗る」

「…」

へんなの。でも、わるい人じゃないみたい。

うーん、なんておなまえにしようかなぁ………

おふろにあったアレにしようかな。

「…ねぇ、ガイコツってえいご?」

「骸骨?日本語だよ」

「…えいごで、なんていうの?」

「スケルトンだな」

「…す、すけ…?やっぱやめる」

「そうか?なんで骸骨が浮かんだんだ?」

「…前のお家の、おふろにあったの」

「骸骨が?どの部分?」

「…たぶん、あたま」

「ドクロじゃん」

「…どくろ?」

「人間の頭だけ干からびたのがドクロ」

「………ドロク」

「ドロク?」

「…今日から、知らない人はドロク」

「ドロクね。ドロク、ドロク、ドロク…うん、ばっちり覚えたよ」

「…よかった」

「実はなしい、全然良くないことがある」

「…なに?」

「この家にはなーんもない。しいが寝る折り畳みのイスと、毛布とゴハン食べるテーブルとそのイスしかない…何が欲しい?」

「…ほしい?」

「そう。しいが今、ほしいなーって思うやつ。ある?」

なんだろ?おこられないやつがいいかな?

でもお父さんが、しいにいつも買ってくれたやつがいいなぁ〜。

「…おえかき」

「お絵描きセット?いっぱい描ける本と、クレヨン?それとも色えんぴつ?」

「…うん」

「わかった。それじゃあ、買い物に行こう」

「…おかいもの?」

「そうだよ。買うお金持ってるから、着替えて一緒に行こう」

「…いっていいの?」

「もちろん。しいの好きなもの買いに行くから、選んで欲しいな」

ふしぎ。ドロクってなんか、かわってる。

「よしっ、ドロクもごちそうさまでした。洗い物し終わったら、すぐ行こう?着替えベットに…寝てたところにあるから。しい1人で着替えれる?」

「…うん。おてつだいしなくていいの?」

「大丈夫だよ。着替えておいで」

ドロクは食器をぜんぶ持って台所に戻った。

あれ?いつのまに服おいてたんだろ?しいが向こうから来て、ゴハンたべてる間、ドロクはいってないのに…

とりあえずきがえよう。おそいとたたかれるかもだし。

前と違って、お洋服はキレイでいいニオイがした。

「おっ、ばっちしじゃん。準備OK?」

「…おっけ」

「なら、ドロクから最初のプレゼント」

ドロクはしいに黒いメガネをかけてくれた。

「お揃いのデカいサングラスだ。気に入ったか?」

「…みにくい」

「まあ、落として無くさないように首にかけれるチェーンも付いてるし、最初はぶら下げてるだけでもいいさ」

「…ねぇ、ドロク?」

「なんだ?」

「…どこからサングラスだしたの?」

「知らなかった?ドロクは魔法使いなんだよ」

「…うそ」

「嘘か本当かは、今からのお楽しみ」

パチンっ。


「よいしょっと。ただいまー」

「…ただいま」

「あそこのショッピングモールのハンバーガー屋さん、美味しかったね」

「…うん」

「どうする?さっそく、お絵描きでもする?」

「…したくない」

「そう?ドロクは買った食材を冷蔵庫にしまうから、ちょっと待っててね」

「…ドロク」

「ん?どした?」

「…魔法使いって、ほんと?」

「ええぇ?瞬間移動で行って帰ってきて、デカい家具もテレポートさせたのに、まだ疑ってたんか?」

「…しんじない」

「まじかー、なんかショック」

「…ごめんなさい」

「いいよ。びっくりぎょーてん連発してたからね」

ドロクは冷蔵庫にモノをしまいはじめる。

しいは…どうしよ。

なんとなく、入ってないドアをあけてみる。

「…トイレだ」

となりのドアもあける。

「…おふろだ」

前のお家と違って、ガイコツはなさそうだ。

あとは玄関のドアだけあけてない。

しいはドアに手をのばした。

「そのドアは魔法で開けなくしてる」

ドロクのこえにびっくりした。

からだがふるえる。こわいこわいコワイ。

「…ごめんなさい」

「しいは悪いことしてないよ、大丈夫」

ドロクに抱きつく。

「…ふるえるの、止まらない」

「わかった。一緒におふろでポカポカしよっか」

ドロクに抱っこされる。

「…たかい」

「うっ…背が高いから許してくれ」

「…ゆるす」

抱っこされたまんま、おふろの場所に行く。

ドロクはしいの服を脱がす。

「…しいがやる」

「まだ震えてるぞ?ドロクにやらせてよ」

「…」

「アゴを重点的に叩かないで!?」

「…はずかしい」

「なんで?」

「…お父さんにみられて、はずかしかった」

「そっか」

ドロクはしいをおろした。

「しい、みててね」

ドロクがお洋服を脱ぐ。

「しい?ドロクのからだ、おかしいところある?」

「…ないよ」

お母さんよりキレイな体だった。

「服、脱がしても大丈夫?」

「…うん」

ドロクはかがんだ。

しいはドロクの耳をさわる。

「ピアス、気になる?」

「…魔法つかえるの、コレのおかげ?」

「ぶっぶー。ちがいま〜す」

ドロクはしいの手といっしょに耳をさわると、ピアスはきえてしまった…

「さあさあ、風邪ひくからお風呂にレッツゴー!」

ドロクはしいをまた抱っこして、おふろのドアをあけた。

「風呂場の室温ヨシっ!湯加減ヨシっ!シャワーの温度ヨシっ!いじょー、ありません!!!」

「…よし」

「軽くからだ洗うねー」

「…魔法つかえるの、へんなニオイのせい?」

「変っ…!!?しいは、この匂い嫌いだったかなぁ〜?」

「…違う。すきだよ」

「すぅー…はぁ〜〜〜、よかったあ〜」

「…なんで、魔法つかえるの?」

「さーて、なんででしょうねー」

ドロクはしいをおふろに入れた。

「…かみが緑色にかわってるから?」

「ちがいまーす」

「…うー、おしえて」

「しいは魔法使いになりたいの?」

「…なりたくない」

「なりたくないんかい」

ドロクもおふろに入ってきた。

お湯がぶわっと、ながれていく。

「ふー…いいきもちだねぇ〜」

ドロクのからだをいっぱいしらべる。

「どうですか?なにか、わかりましたか?」

「…わかった」

「おっ、なんだろ」

「…おめめ、紫色」

「…」

「…ドロク?」

「あぁ、正解。この眼のおかげで魔法が使える」

「…ドロク、ぐあいわるい?」

「違うよ…ただ…何か大切なことを忘れてるような…」

「…きおくそーしつ?」

「よく知ってるね」

「…お父さんが、いってたかも」

「そっか」

ドロク、やっぱりへん。キレイなおめめ気にしてる。

「髪洗うか」

「…しいも緑にしたい」

「えー?綺麗な茶色だよ?」

「…うんちやだ」

「極端か。それなら…」

ドロクが、しいのかみをワシワシする。

「しいは髪長いのと短いの、どっちがいい?」

「…長いの」

「わかった………鏡みてごらん」

お風呂からでて、かがみをみる。

かがみは白くなって、しいの顔がみえない。手でかがみをふいた。

「わあ…」

「ドロクの眼と同じ、紫の髪。気に入った?」

「うん!!!」

「よし、あがるかー」

ドロクといっしょにおふろからでた。

「…脱いだ服なくなってる」

「そりゃ、魔法でちょちょいって洗濯機に入れました」

「…はじめから、いれておけば?」

「次からそうしますか」

「…くるしゅうない」

「服着たら、晩御飯の準備するかー」

「…どうしてドロクは、おんなじお洋服をきるの?」

「え?他にもこの服、何着もあるから」

「…もっとオシャレして」

「おしゃれだよ?とっくに」

ドロクと手をつないで、台所へ向かう。

「晩御飯、おこめでもいい?」

「……うん」

眠い。しいは寝たい。

「眠くなった?寝てもいいよ」

「………うん」

ほんとは、寝ちゃダメなのに…お母さんは起きろって起こすのに…お父さんも起きないとっておこるのに…ドロクはやさしいな………




俺は誰だ?

フジノは何を知っている?

調べなければ

俺が生まれた場所へ戻らなければ

この娘を放って…?




「ドロク!?」

「おっ、おはよう。しい」

起きると、ドロクはちゃんとそこにいた。

「…おはよう」

「朝ごはん、できてるぞ。歯を磨いてから、座ってください」

「…うん」

まどをみると、お日様がおはようしてる。

きのうはバンゴハンを食べなかった。わるいこだ。

今日こそ、いいこでほめてもらうために、ちゃんと歯をみがく、トイレもいく。

「ようやく来たな?今日はおこめとお味噌汁と、ハムステーキとサラダと、バナナヨーグルト…多いかな?」

「…だいじょーぶ。食べる」

「よかった。じゃあ一緒に」

座って、ドロクと同じに手をあわせる。

『いただきます』

「しい、箸の使い方わかるか?こう使うんだぜ?」

「…」

「箸じゃなくて、スプーンがいいか?」

「…ちゃんとみたから、つかえる」

「へー、天才じゃん」

「…まーね」

ゴハンがおいしい。前のお家より、こっちがいい。

「しい。俺、今日から仕事に行ってくる」

「…おしごと?」

「ああ、やることあるんだ」

「…きおく、もどったの?」

「すこーしだけな、留守番できるか?」

「…できる」

「よし。帰ってくる時は、友達と一緒にくるよ」

「…ともだち?」

「そう、友達。居たんだよ、俺に友達」

「…しいにはいない」

「じゃあ、しいの初めての友達になれるな」

「…ともだちに、なってくれる?」

「なるよ、絶対」

「…そうかな」

「お先に、ごちそうさまでした。食器は変なマシーンに入れてフタをしめれば洗ってくれるから。いってきます」

「…いってらっしゃい?」

ドロクは笑ったあと、パッと消えた。

しゅんかんいどう?てれぽーと?すごい魔法だ。

…しいだけだと、ゴハンちょっとだけおいしくない。

「…ごちそうさまでした」

なにもかえってこない。さみしい。

しょっきを、へんなマシーンに入れてフタをしめた。ゴウンゴウンいってる。

「おえかきしよ…」

さて、なにをかこうか?

色えんぴつとおえかきちょうをだす。

そういえば、ご本を買わなかったな…こんどは図鑑がほしい。えをまねしてかいたほうがおぼえやすい。

「…ドロクかこ」

つかう色は…黒と紫、白、青、銀、うすだいだい。

あ、しいといっしょにかくと、おおきさがちがくなりそう…ドロクでっかいから一枚の紙いっぱいにかいてあげよう。

ドロクってどうして男のかっこうしてるんだろう?ワンピースもにあうと思うけど、あのかっこうがかっこいいからそのまんまでもいいか。

「…てぶくろって、どんなのだっけ?」

色えんぴつをおいて、服をおいてあるところをしらべる。

ドロクの洋服入れ、引き出しに手をかけた時。


ガチャガチャ…


玄関のドアノブが鳴りだす。

「…だれ?」


ガチャガチャ…


こわい。


ガチャガチャガチャガチャ…


コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ


ガチャ…


いそいでモーフがあるばしょにもどる。

モーフにくるまって、ソファーのかげにかくれる。

「こわいよドロク…たすけにきて!」

「ただいま〜」

「お邪魔すんなら帰りな〜」

「俺の家なんだが?」

「気にすんなって!死神ちゃんの家になるかもだし」

「なんねーよ。既に満員だわ」

「…ドロク、おかえりなさい」

「しい、ただいま。ソファーの後ろに居たのか?友達連れてきたぞ」

「ややっ!なにやつ!?」

「なんだその格好?」

「荒ぶる蟹の威嚇の型」

「…そっちこそ、だれ?」

「しいもなんの格好してるんだ?」

「…れいせいちんちゃく、ピエロのポーズ」

「くっ…!負けた」

「…しいのかち」

「2人の勝ちでいいよ。さっぱりわからん」

「やーい雑魚め。プランクトン以下め!」

「…」

「イタッ!?ごめんなさい!!!つねんないでドロクちゃん!黙ったまま真顔でつねんないで!」

「…ふふっ」

「お。笑った」

「笑うな!人の不幸を笑うなぁよ?いつか死神ちゃんが現れるからな!」

「おるやん。ここに」

「はっ…つまり、つまりどういうことだってばよ?」

「知るかよ」

「…しにがみ?」

「呼んだな少女よ。如何にも、死神ちゃんが死神ちゃんなのである。おぬし、頭が高い。名を名乗れ」

「…ふじのしい」

「アイヤー!?どうしてドロクちゃんの同居人がここに?教えて!ドロクちゃん」

「支離滅裂すぎて最近の若者に度肝抜かれるわ。しい、お昼ごはん作るから死神ちゃんと遊んでて」

「…うん」

「テンション低いぞシーくん。据え置きゲーム機持ってきたから、ボコボコのボーリング玉にしてやんよ」

「手抜いてやれよ」

「…シーじゃない」

「ん?」

「しいは、シーじゃない」

「くっくっくっ。悔しいなら、死神ちゃんに勝ってから文句言うんだな」

「…さっき、かった」

「オウフ!…さっきのノーカンで。ゲームでけりつけてやんよ。レッツ、オウンゴール!」


「おい!いつまでゲームやってんだ。ごはん出来てんだぞ!」

「ちょっ…いいところだから、話しかけ…あ」

「またしいのかち。ぴーす」

「い、今のはドロクちゃんに邪魔されたから、ノーカン!」

「いいよ。もっかいやろ」

「最初から最後まで負けてんのにまだ挑むのかよ。冷めるんだってごはん!それ最後にしろよ」

『はーい』

死神ちゃんにこしょこしょばなしをする。

「ドロクって、お父さんみたいなのにお母さんだよね」

「おん。そのとーりだ」

死神ちゃんは笑う。しいも笑った。

「でもそのこうげきはさせないよ」

「あんっ!リーサル逃した!?しかし、連打力なら自信があります。くらえっ!スイカ割りのハゲ地獄じゃ!」

カウンター カウンター カウンター

「全部めくられる!?バカな!奥の手の手前先から次の駅まで徒歩圏内の技だぞ!どうしてだよぉ〜」

うわぁっ…うわっ…うわっ………

2PWIN ブンブン、ジャキン!…戯けが

「またしいのかち。だぶるぴーす」

「う…うわあぁぁぁん!ドロクちゃあん、しいが死神ちゃんのことイジメる〜」

「そんなことないだろ。もう少し攻撃とコンボの仕方、研究しない方が悪い」

「以外とストイック!?死神ちゃんはゲーム弱者じゃけ〜」

「…はいぼくしゃ」

「しい!?今は思ったこと言っちゃダメだぞ!?死神ちゃんに効くから…」

死神ちゃんはしいのおえかきちょうを見てる。

「これ、しいが描いたの?」

「…そうだよ。ドロクかいた」

「へー。かなり上手じゃん、ドロクちゃん見てみなよ」

「あっ、まだかきおえてないの!」

死神ちゃんはドロクにしいの絵を見せてしまった。

「…」

「どう?しいって、絵師の才能あるんじゃない?」

「そうだな。天才だからできるかもな」

「だってよ、しい。褒められたじゃん」

「…死神ちゃん、きらい」

「なんですとー!?じゃあ死神ちゃんもしいのこと嫌い」

「喧嘩してないでテーブルにつけって。焼きそば食べるだろ?」

「たべまーす」

「…たべる」

イスに座って、気になっていることを聞く。

「…死神ちゃんはなんで白いお洋服なの?」

「なーんだそれ?お答えしよう!これは人の…」

言いかけてドロクが睨んでることに気づく。

「人の…不摂生を隠してるだけです…」

「…ふせっせい?」

「健康じゃない生活をしてるって意味だよ」

「…しいは?」

「ちゃんとごはん食べてるから違うよ」

「…ふせっせいなの?死神ちゃん」

「違うよ」

「そうだよ」

「ちょっと!ドロクちゃん?」

「いい加減食べようか。一緒にせーの」

『いただきます』




「ねぇ、ドロクちゃん。大丈夫?」

テーブルに横たわったドロクちゃんは、疲れ切った顔を塞いでいる。

「ごめん、今日相手できないや」

「そうじゃなくて、あの娘のこと考えてたんでしょ?」

塞いでいた腕を除けた。

「死神ちゃんって、俺の過去のこと知ってるっけか?」

「知らない。別に気にしない」

「…そうか」

申し訳なさそうに死神ちゃんを見る。

「あの娘のことは…もう少し、もう少しだけ、あのまんまでさせてくれないか?」

「…ドロクちゃん、わかってるとは思うけど、ドロクちゃんがやってることは基本正しいよ?でもね、ボクだってあの娘をそのままにする訳にはいかないよ。だって、あの娘はもう…」

「ごめん死神ちゃん…」

不意にボクのことを抱きしめてきた。

「俺の我儘に付き合ってくれないか?」

「…好きなだけ我儘すれば?」

抱きしめ返してもボクたちの身体はあったかくならなかった。




「…おじさん、だあれ?」

「我は閻…ゴホンっ、ヤマラージャと申す」

「…やま?」

「ヤマラージャ、と申す」

「…やまらーじゃん?」

「プッ…すみません、笑ってしまいました」

「良い。それにしても、この娘があの…」

「そうです。よき娘です」

おじさんはしいの頭をなでる。

「…?なにもしてないのに、なんでなでるの?」

「気にするな。我がそうしたいからそうする。名前は何だったかな?」

「…ふじのしい」

「ふじのしい…うむ、覚えたぞ」

おじさんはしいの顔をさわって、あごをくすぐる。

「くすぐったい」

「はて?なんのことやら」

「…ヘンタイさんなの?」

「こらこらこら!初対面になんてこと言うんですか!」

「良い。幼子故だ。ドロク、しいを責めるな」

「そうですか?ヤマラージャがそう言うのなら…」

「おじさん」

「なんだ?しい」

「山からきたからそんなに汚いの?」

「ぬっ!」

「ヤマラージャ、ステイステイ!!?拳押さえて!悪気ないんですって!…コラっ、しい。失礼だぞ。謝りなさい」

「…ごめんなさい、ヤマラージャ」

「良い…我もこの姿を更新せねばな…」

「そうだ、しい。ヤマラージャにお洋服選びしてくれないか?」

「…しいが?」

「そう。ヤマラージャをおしゃれにしたいんだ」

「頼まれてくれないか?しい」

「…いいよ」

「よし。それじゃ、モールに…」

「まってドロク」

しいは指パッチンするドロクをとめた。

「どうした、しい?」

「ヤマラージャ、イスにすわって?絵をかいて、なににするかきめる」

「ほう…どういうことかな、しい?」

「しいがデザインして、買うの決めるの」

「わっはっはっ。凄いな、是非にお願いしよう」

「できるんだな?しい」

「…うん、まかせて」


「悪いが午前中だけ、しいの面倒を見て欲しい。午後からレヴィアタンとアスモデウスに交代だ。4人とも、宜しく頼むぞ」

『御意に』

「…いってらっしゃい、ドロク」

「ごめんな、しい。午前中だけ仕事してくるから…」

「…だいじょーぶ。しい、この4人に負けない」

「そっか、負けんじゃねーぞ?いってきます」

「…バイバイ」

さいきん、ドロクはいそがしいみたい。

「…つっても、子守なんてしたことねーわ」

「レディの前で失礼ですよ」

「空気を読みなさいマモン」

「うっせぇ!」

「失礼しました。わたくし、ベルフェゴールと申します」

「ワタクシ、ベルゼブブと申します」

「…フェゴとゼブブ」

『…』

「新しいあだ名付けられたからって、露骨にニマニマすんなよ」

『私たちは今から、しい様の執事でございます』

「…ふむ、よきにはからえ。緑のモジャモジャはだあれ?」

「緑のモジャモジャじゃねー!マモンだ」

「…マモー」

「マモーじゃない、マ・モ・ン」

「マモーね」

「くっ!こいつ…」

「辞めろマモン。みっともないぞ」

赤い髪のおにーさんはかがんで、しいの眼を見る。

おにーさんは自分の胸に人差し指を向けた。

「…サタン」

こんどはしいの胸の前に人差し指を向ける。

「…しいだよ」

「うん、わかった。今日から友達。握手しよ」

「…いいよ、サタン」

「ほへ〜、サタンお前、子供慣れしてんだな」

「うるさいよ、マモー」

「がぁ!?チクチク刺しにきやがって…」

「ワタクシたちはランチの準備をします」

「マモンとサタンで、しい様と娯楽をなさってください」

「ちぇっ!そうだよなー。家事はてめぇらに任せるしかないか…何するよ?トランプかゲームか?」

「センスないね、マモー」

「だぁ!?…クールダウンだマモン。翻弄されるなよ、ガキンチョに…」

「しい、暗いのは大丈夫か?」

「…へいきだよ」

「ベルフェゴール、ベルゼブブ。暗くても大丈夫だな?」

『私たちにお構いなく』

サタンはカーテンを閉めて、でんきをくらくした。

「マモン。ライトを貸してくれ」

「何に使うんだ?」

マモーからライトをかりて、テーブルにおき、でんげんを入れる。

「しい、カーテンの方見てて」

「なるほどな。影絵ってことか。いつの間にそんなの覚えたんだ?」

「マモー、うるさい」

「ギャっ!ぎゅ…ぐぎぎ」


「この国を統べる王よ、何故王にならなかったのですか?」

「何者だ?名を名乗れ」

「私は一角獣。世界を飲み込み力がある竜よ、私の問いに答えてください」

「簡単なことだ。我は王の器ではない」

「王の器は民が決めることです。貴方様の判断は間違っております」

「ならば一角獣よ。何故、我を王としたい?」

「それは全てにおいて、どの種族より優っているからでございます」

「勘違いだ。貴様は我を万能だと思っている」

「何故ですか?私には理解できません」

「知っての通り、我は大きい。大きいが故に、謁見するのに高い山が欲しい。しかし、その山は我の体の半分にも満たぬ。だから深淵に近い場所へ逃げたのだ」

「恐れながら竜よ、貴方様がいらっしゃらないと戦争は終わりません。未だに沢山の種族が争っては王を語り、そして剥奪されます。この繰り返しを止めては頂けぬか?」

「無理だ。我は誰も殺したくはない」

「そのまま深淵と共に消えるおつもりですか!」

「そうだとも。我のせいで誰かが死ぬより、誰かが誰かを死なせた方が、我は楽だ」

「なんと酷いお方だ!私はそんな貴方を信じていたのか」

「なんとでも言うがいい。我の孤独は我にしか分からず。貴様の悩みは貴様しか叶えれぬのだ」

「臆病者め!ならば私が世界を奪ろうではないか。合理的に貴方の名を語り、王として貴方を居ないことにはしない」

「それは貴様が望んだ王なのか?」

「私が望むんじゃない。民らが望むものだ」


『お見事です、サタン』

「ひょ〜、凄い話だな。でも子供には難しい話だったんじゃないか?」

「すごかったよサタン。ありがと」

「どういたしまして。マモンよりマシな感想だ」

「比べんなよ!」

「なになにー?皆んなしてマモン虐めてんの?ウチらも混ぜてよー」

「うわっ!?アスモデウス、いつの間に!」

「アタシもおるで、マモン」

「レヴィアタンも来たのか?ドロク様はどうした?」

「聞いてよ〜サタン。アスモデウスったら、早とちりしちゃって、予定より早く来ちゃったの〜」

「テヘペロ。めーんご」

「そうだったのか」

「しかし、大人がぞろぞろしては狭いですね」

「ワタクシたちが早々に出て行くべきでは?」

「おう!そうしようぜ!さっさと帰りたいわ」

「サイテーね、マモン」

「さすが嫌われ者っすね〜マモン」

「…マモー、きらい」

「ごぼはぁ!?」

緑のモジャモジャはしなしなになった。

「このバカはオレが責任を持って持ち帰る。あとは頼んだ」

「承知!」

「任せてね〜」

「ランチはスープ3種、ひとつは冷製で冷蔵庫の中に」

「電子レンジで温めるだけですので、こちらのメモ書き通りに加熱してください」

「おっけ、おっけ」

「魚あるよね?」

『Of course』

「やった〜」

『それではしい様、ご機嫌よう…』

「バイバイ、フェゴとゼブブ」

「また会おうね、しい」

「…やくそくできる?」

「もちろん」

サタンがおでこにチューした。お顔があつくなる。

「うっそー、サタンあんたペドだったの!?」

「やめんかアスモデウス。サタンって子供付き合い上手だもんね〜」

「…別に。じゃあね、しい」

サタンは帰ってしまった。まだねつがとれない。

「おやおや〜?完全に何かが始まる感じがしませんかアスモデウス?」

「歳の差カップル。ウチの好きなものです」

「…おねーさんたち、だあれ?」

「おっと、ごめんごめん。ふじのしいちゃんでしょ?ウチはアスモデウス。死神ちゃんから、アスって呼ばれてるよ」

「…死神ちゃんのともだち?」

「そうそう!ウチら、友達の友達だから超友達!ユーノー?」

「…あいのー」

「やるねー。やっぱ天才だわ、しいちゃん」

「…ピンクの髪、キレイだね」

「そう?あんがと。しいちゃんの紫髪も綺麗だよ」

「ちょっと〜、アタシも混ぜてってば。レヴィアタン、海が好きなの。死神ちゃんからはレヴィって呼ばれてる」

「…レビー?」

「合ってるよ〜。しいちゃんはお魚好き?」

「…すきだよ」

「ベストフレンド、グッジョブ!」

「…ぐっじょぶ」

ふたりのおねーさんをみて、どうしてもくらべてしまう。

「どしたん、しいちゃん?」

「レヴィのおっぱい見てんだって、ウチよりかなり巨乳じゃん」

「そうかな〜?胸測ったことないから、わかんないや」

「…お魚、いっぱい食べたらそうなるの?」

「違うよー。死神ちゃんが揉んでくれたから、おっぱいおっきくなったの。実はレヴィってさー…」

「アスモデウス!子供に変なこと教えない!」

「…ドロクにもんでもらお」

「ヴっ!?」

「しいちゃん!?今から気にすることじゃ…何言ってんだアタシ。アスも悶絶してないでよ!」

「いやー、妄想が捗りますなー。それで、さっきまで何してたの?」

「サタンが影絵してくれてた」

「ほーん。あいつ、そういうのも出来るんだ。知らなかった」

「サタンはいいやつだよ。好きでしょ、しいちゃん?」

チューされたことを思いだして、またお顔があつくなる。

「いけませんよレヴィ?初キッスは茶化すもんじゃありません」

「そういうつもりで言った訳じゃないよ〜。でも、サタンって好きな人、いるんだよ?」

「ちょっ!?レヴィ…」

「…だあれ?」

「死神ちゃん。ずっとアタックしてんだけど、ガードが堅いんだよね〜」

「あー…なんとなく、わかるかも」

「はいはい、恋バナ終わり!お昼まで時間あるし、なんかやろうよ」

「サメ図鑑あるよ〜。皆んなで読もうぜ」

「却下。知識をつけるんじゃなくて、ハッピーになることしようよ」

「…たとえば?」

「うーん…ままごと!誰がママに相応しいか競うのよ!ママ選手権」

「え〜。やんの〜?」

「…しい、やりたい」

「オッケー。じゃあ、最初レヴィからね」

「なんでアタシ!?」

「しいちゃん、さっきのレヴィの秘密がわかるよ」

「ほんと?」

「なんも秘密ないです〜、気のせいです〜」

「言ったなー?やってみなよママ」

「やってやるですよ、ママ!かかってこいってんだ!」


「ただいま〜、ちょっと遅くなった。ごはん食べたのか〜?」

「ママー。もっと、ヨチヨチしてー」

「アスくんは、あまえんぼうですね。おーよちよち」

「うっへへー。ばぶばぶ」

「何やってんだ、レヴィアタン?」

「お疲れ様です、ドロク様。アスモデウスが始めたままごとですが、ご覧の有様です。アスモデウス、ドロク様が戻りましたよ」

「おっほほー………すいませんでした、ドロク様。ちょっとした出来心でした。赤ちゃんプレイが幼女とできるなんて、なかなかないですから…」

「まあ、しいが楽しんでたら文句はないな」

「レビーのママ、おもしろかった!」

「ん?レヴィアタンもままごとしたのか?」

「えっと…はい、最初にやりました」

「別に隠すことはないだろ?それに、口調がなんか違うが何かあったのか?」

「…」

「それはね、ヒミツ」

「秘密?」

「3人のヒミツ。だから、だれにも言わないの」

「そっか、秘密なら仕方ないな。レヴィアタン、すまなかったな」

「お気遣いありがとうございます、ドロク様」

「おなかへった。ごはん食べよ?」

「そうだな、メシは用意されてんだろ?働いてくれたんだから、先に座っててくれ。アスモデウスも早くテーブルにつきなよ?」

「あい…クぅー!ドロク様と幼女の関係たまんねぇなあ!!!」

「捗ってないで、こっち来なよアスモデウス」

「鼻血が…今行くよー」

「…今日、いっぱい人いてたのしいね!」

「しいがそう思ってくれたんなら、ドロクも嬉しいな」




「ドロク様」

「誰だ?ルシファーか?」

「そうです」

「なんのようだ?今、凄く疲れてる」

「お話だけでも、聞かせてくれませんか?」

「…なんだ?」

「藤野椎という少女のことです」

「…」

「何故、天使が居ないのでしょうか?我々を邪魔するのは普通だと存じます。ですが、藤野椎という少女とドロク様が関わってから極端に天使の数が減りました。教えていただけませんか?」

「…長い話だぞ?」

「構いません。お願いします」

「わかった…はじめに、俺が死んだところから始める」

「ドロク様が死んだ日?」

「2023年12月19日、身元不明の成人女性が廃墟から見つかった」

「一昨年の爆破テロ事件から2日後に発見されたと言われてるアレがですか?」

「そうだ。テロが行われた会場のリストに俺の名前が合ったみたいだが…関係ないな、忘れてくれ」

「はい」

「その死体を解剖したのが、藤野椎の父親。本当の父親ではないがな」

「…」

「藤野椎の母親は描いた様なクソ女でな、藤野椎が生まれる前にも出産してる。だが養育費を騙せると思い、自宅の風呂場で餓死させた。生後1か月も満たない赤ん坊をな…しかし、誰も気がつかなかったんだ。役所も近所の住民も、クソ女のことなんか気にしてなんかいなかった」

「…」

「藤野椎が生きていれば、今年で7才か…早いもんだよな、時間の流れは…」

「何があったのですか?」

「2024年4月1日、クソ女は自宅に藤野椎を置いて逃亡。自宅から出れないように、内側のノブを破壊し鍵をかけた。母親の言いつけ通りにしないと怒られると思った椎は、暗い部屋の中で待っていた。入るなと書かれて閉ざされた風呂場のドアを前にして…亡き兄か姉かはわからんが、椎を助けようと異臭を放ち、近隣住民に知らせた。その時、骸骨を見たんだろうな椎は…」

「…」

「それでも、警察と大家が来るのに時間がかかる。そこで俺は声を聞いたんだ」

「声?」

「誰でもいいから妹を助けてくれって。一生一度のお願いだから、叶えてくれってな」

「霊からの依頼、ですか…」

「無論、その家に入ったさ…だが遅すぎた。死ぬか死なないかの瀬戸際だった。俺は聞いた、何かを望めば助かると…でも椎は…」


トモダチがほしい


「俺も神になって、まもなくだからよ…意識だけを家に連れてってやった…体の方はそれから3日後に救急搬送。意識不明の重体だ…そりゃそうだよな?意識は俺が連れ去ったんだから…」

震える声を押し殺す。

「それからどうしたのですか?」

「連れ去った晩に、仮の父親に会いに行ったよ。顔を見るなり『お前は死んだ筈だ!』って喚いてたっけ…無視して書類を探すと、これまた変態な写真がワラワラ湧いて出てくんだよ…解剖医の事務所にだぞ?終わってるよな?」

「…」

「そこで死神ちゃんと出会った。クソ女から依頼されて殺しに来たんだと…勿論、死神ちゃんの判断でクソ女も殺したんだっけか…?どうでもいいな。父親は俺に拳銃を向けた。俺は銃弾で死ぬかもしれないとか全然考えてなかった。一種のオバケと思ってたからな…撃たれた弾丸は俺の眉間に当たり、そいつは絶命した。反射されるのを知ったきっかけだな…」

「だけど他に問題が起きてしまったと?」

「天使共だ。肉体がほぼ死んでるのに魂が別な場所で生きてると聞けば、黙ってないだろう?なんとしても藤野椎の魂を回収しようと、俺の家に突撃してきたさ…無駄なんだけどな。頭の固い連中は、旧日本軍を思い出すほど単純で救いようのない馬鹿。藤野椎の魂はヤマラージャ、閻魔大王様に譲渡したよ…きっと、極楽浄土で楽しく…」

あぁ、涙が決壊してしまう。

「なあ、ルシファー?我が子ってどんな気持ちだ?ついこの間まで一緒に暮らしてた娘が離れてしまったんだ…分かるんだろう?お前は…?」

「いつの時代も…子離れが1番哀しいとしか言えません」

「だとしても!俺がルールを変えて、椎を生かしてしまったらどうなる?」

「…それこそ失楽園です」

「だよな…そうだよなぁ…ふっ、自分が嫌いになりそうだよ、ほんと…」

「私を最後まで放っておいたのは、私の力で罰して欲しかったからですか?」

「正解だ…天使と悪魔の力を持つお前なら、俺を殺せると思ってな…でも間違いだったよ…」

「間違い?」

「秋野庵と再会して考えが変わった。どうしようもないこの国を、俺は変えていかなきゃいけない…否、人の願いを叶えなくてはいけない。最悪の務めだよ、これは…」

「代わりは…無理ですね…」

「無理だ。俺はこの国に干渉できるが、外を弄れない。無理矢理どっかの神を引っ張ってくるのは…」

「どうしました?」

「そっか、外か。ははは、何で気づかなかったんだ?楽勝じゃんか、こんなの…ふふ、アハハハハ」

「ドロク様?」

「安心しろルシファー。最後の最後、やはり泣きを見るのは憐れな人間共だ。才川れみのことを覚えているか?」

「はい、存じてます」

「噂だ。噂が鍵になる…楽しみで仕方ないなぁ!?ゴミがゴミらしく蛆虫以下になる瞬間がよぉ!!?ゾクゾクする…今日は何発でも【自主規制】しそうだ!!!」

「…」

「理解しなくていい。これは腐ったオマエラの末路なんだからな?俺を終わらせるんじゃない、オマエラが終わるんだ。俺を殺すんじゃない、オマエラが殺されるんだ。酷いよなぁ!?あんまりだよなぁ!!?抵抗すんなよ?無駄なんだから…顛末は最初から書かれていて、秋野庵はこの事を俺に託した!…いいぜ、やってやるよ。めちゃくちゃにしてやるよ。終わらせてやるよ。天使も悪魔も関係ない。俺とオマエラのサシ勝負。勝つのは俺で、負けるのはオマエラ。ネタバレか?違う、確定事項だ。この事象は、運命は!変えることができない!!!あぁ〜、楽しみだなあ〜。どっかの馬鹿がやらかしてくれねぇと、終わらないからよぉ〜?それまで、ゆっくり【自主規制】でもしてるか…オマエラみたいに。くっ…かっははは。ぁっははははは」

最後までご愛読いただきありがとうございます。

ラスト前です。

思えば12月下旬から開始して、約1か月ですか。全10話のペースで不定期だとこんなもんですかね?

体調を崩したり、推しが病気で配信しなかったり、観ようと思ってた映画が配信終了してたりと、踏んだり蹴ったりでしたが、1つの作品が終わらせることができそうです。

ドロク様は一体、何を思いついたんでしょうか?自分は最初からその事を知ってますが、これはドロク様に言われて書いている訳でして…

へ?何言ってんだって?自分、ドロク様の奴隷第1号ですよ?知らなかったんですか?ラスト前ですよ!?そんなことある!!?

まぁ、最終話は期間が開かないように書く所存でございますので是非に。

そろそろキャラ絵も考えないとなぁ…絵描くの下手なんですよね自分。

ではまた次回まで、未来に宜しく。

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