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第2話 街はずれの宿屋で夜を明かす

「えっと、今から泊れたりしますか?」


「部屋なら空いてるよ。一番安い部屋で朝夜食付き一泊5000ダルだね」


 俺は極力安そうな王都の端にある宿屋に移動していた。


 宿屋にて受付を済ませようとすると、そこには恰幅の良い女性が対応をしてくれた。


 正直、貯金をしていると言ってもたくさん貯蓄があるわけではない。安く済むことに越したことはないと思って安そうな所を選んだが、どうやら当たりみたいだ。


 この世界にはリミル金貨、重金貨、金貨、銀貨、銅貨、軽銅貨が存在している。


【1リミル金貨=10000軽銅貨】

【1重金貨=1000軽銅貨】

【1金貨=100軽銅貨】

【1銀貨=10軽銅貨】


 一回の外食が1000ダルくらいなので、食事がついてこの値段は王都にしては破格だ。栄えている通りから離れたのがよかったのだろう。


「とりあえず、十日分泊まらせて欲しいです。代金は、これで」


「十日分だね。うん、ちょうど頂くよ。部屋は二階の一番奥の部屋を使ってちょうだい。ごはんのときは呼びに行くから、どこかに出かけるなら前もって教えておいておくれ」


「分かりました。それじゃあ、十日間よろしくお願いします」


「こちらこそ、よろしくね。あれ? 荷物がやけに少ないね」


「ええ、アイテムボックスがあるんで手荷物はほとんどないんですよ」


「かー、アイテムボックス持ちかい。羨ましいねぇ」


「でも、俺のアイテムボックスってそんなに広くないんで、そこまで便利でもないんですよ」


 俺はジョブを与えられたときからアイテムボックスを持っている。初級魔法とか、他にも色々と便利なスキルも持っていることから、今までパーティに置いていてくれていたのだろう。


 それでも、ギース達は俺のスキルのほとんどを知らないような口ぶりだったな。別に、自分からひけらかすことをしなかったし、もう仲間でもないのだからいいんだけどな。


「へー、アイテムボックスにも色々あるんだね。まぁ、あるだけ羨ましいさね」


「ははっ、ありがとうございます」


 俺は簡単に挨拶を済ませて、本日泊まる部屋に移動した。


 入ってみると、広さは四畳ほどのスペースだった。ベッドと机と椅子があるだけのシンプルな部屋だが、あの値段でこれだけ広ければ十分だろう。


 俺はベッドによこになって明日の計画を立てることにした。


「とりあえず、冒険者ギルドに行ってパーティに入れてくれるところがないか確認してもらうか。その後は、数日はソロで活動するのかな? ソロかぁ、俺にできるのかなぁ」


 俺は早い段階からギース達のパーティに入っていたから、あまりソロで活動をしたことがない。


 まぁ、難易度の低い奴なら何とかなるかな。


 前に使ってた装備品もポーション類も返すように言われたし、手元にあるのは僅かばかりのポーションだけだった。


 そうなると、少しポーションとかも揃えてからクエストに向かった方がいいかもしれないな。


 いや、採取系のクエストとか軽めの討伐なら俺でもできるかもしれない。


 そんなことを考えてベッドで横になっていると、扉をノックする音が聞こえた。


「夕食できたよ。すぐに食べるかい?」


「あっ、はい。すぐに向かいます」


 とりあえず、飯を食って腹を膨らませてから考えよう。


 俺は明日の予定を考えるのを中断して、腹ごしらえを済ませることにした。


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