9、『淫獣愛 私の心を奪った男』 佐木ささめ著
『淫獣愛 私の心を奪った男』
佐木ささめ 著
逆月酒乱 イラスト
オパール文庫 プラタンタン出版 2018.3.1
〜二股かけられたウワバミの本質は酒色財気? 無口な男はやりたい放題〜
恋人の浮気現場を目撃した傷心のヒロイン。ふらりと立ち寄ったバーでボトルウイスキーを軽々と一本空けたところ、さらに25度以上のカクテルで男にお持ち帰りされるという、TLでは一般的な出だし(当方調べ)と思いきや!さすがブラックオパール文庫様です。
ヒロインの意識がほぼないまま、男のやりたい放題、翌朝にその姿は無く、会社に写真が送りつけられ……(おいおい犯罪じゃないの? こいつがヒーローかよ!)(「あ、『わるい男』がテーマとあとがきに書いてあるしな)と冷静さを何とか取り戻して読み進めます。
ヒロインは個人情報を抜き取られ、男の情報がほぼゼロなところから、男の猛アタックが始まります。大丈夫? と思っても男は口下手(?)でそういう強行手段(いや犯罪だけどね!)を取らざるを得なかったという説明がありましたが……まぁ、ご都合主義こそTLの醍醐味です(本当かな)。
いや………でもマネジメント会社の室長という肩書きでイケメンで、高級レストランで食事は全部彼持ちで、服もオールシーズン買い与えてくれてもこれって、で関係を迫る。もはやセ(ピー)フレンド……という自覚はヒロインもありますが、段々本気になるんですよね。まぁ、TLですから。
ナンパされたヒロインを激しく攻めた男は、ヒロインから拒絶され悶々とした挙句、欲望の昇華のために自宅のマンションの外壁に落書きしてペンキまみれになる(でヒロイン登場、お決まりの二人でお風呂のパターン)とか、オイオイオイ! ってなりますが、まぁ多分これはギャクなのだと思いたい。
だんだん、後半は普通の恋人になっていくのが、かえって物足りなく感じるのはブラックオパール文庫ならではですかね? 最後の方はもう(怒涛の展開だなっ!オイ!)という感じでハッピーエンドに着地して一安心です。
ファーストコンタクトからして、かなりアブノーマルですが、その後のラブシーンはイヤイヤネチネチ激甘系です。なんでちゃんと話さず、身体を使うのかねぇ……と思いますが。まぁブラックオパール文庫はオパール文庫の中でも特に「激しい」を「際どい」レーベルなので仕方ないわな。
ヒロインの出身が酒豪が多いと知られる高知(下戸の高知の方、すみません)ではなく、愛知県岡崎と最後に知って何か微妙にモヤつきましたが、著者が愛知県出身……ならばなぜ赤味噌にしなかったんだ、突っ込みたいが……やっぱり赤味噌じゃ恋は始まらないデスヨネ?
甘々度 星3★★★⭐︎⭐︎
俺様度 星3★★★⭐︎⭐︎
現実離れ度 星5★★★★★
LOVE度 星4★★★★⭐︎