8、『屋根裏部屋の王女は最果ての皇帝陛下に一途に愛され甘く蕩ける』すずね凛著
『屋根裏部屋の王女は最果ての皇帝陛下に一途に愛され甘く蕩ける』すずね凛著 イラスト ウエハラ蜂 2023.4 竹書房
〜亡国島国の王女は弟を救うため、侵略国の間諜となり雪国の皇帝陛下の心も溶かす〜
元王女アポロニアの故郷はネッケ王国に攻め入られ亡国となり、アポロニアは弟と騎士に救出されるも囚われの身となって侍女の身に堕ち、ネッケ国の王女マリエに叱責、折檻されつつ屋根裏部屋(侍女専用の宿舎があるのに、さらに宿舎の屋根裏なのが良いですね)で病弱な弟と過ごしていた。ネッケ国王かマリエを北国新興国ラインハルト皇帝陛下へ嫁がせようとするも駄々をこね、アポロニアが身代わりにとつぎ、弟を人質にとられて色仕掛けして暗殺してこいと命じられてしまう……というお話。
亡国の王女アポロニアは常夏の果物が実る南国島国育ち。日焼け止めが無くとも『伝説の雪の女神のようだ』(P5)と皇帝陛下に言わせしめるほどの美白とナイスバディ。そりゃぁ仕事一途で幻獣アーマ(白い狼)から(『(アアイウノヲーーボクネンジン、トイウノダロウナ)』(P275)と太鼓判押されるラインハルト皇帝陛下もイチコロになりますよ。
さて、LOVEシーンは、「でもねアーマ。皇帝陛下はベッド上では朴念仁の要素は全くないよ」と言いたくなるくらい、獣のようにガッツいている皇帝陛下ですが、まぁ幻獣評価(主人ひいき目線)なので仕方ないですね。勢いに任せてしまうシーンも皇帝陛下だし、朴念仁と言われているけど、28才なら仕方ないよねサービス回だよねと温かい目で受け止めました。
ストーリー的には勢いがあって終わりまで一気に読めました(勢い、大事)。国通しの対立とか戦争とかは横に置いて、物見遊山じゃなかった領土視察に繰り出して、新婚旅行しちゃうところとか(もちろん、敵国を欺くためのポーズなんですが)二人の関係に比重が置かれています。ネッケ国との決着はヒロインの願いを叶えてしまう正統派ヒーローでした。
全てが終わって、妻の故郷でバナナ、マンゴー、花火大会を楽しむであろうラインハルト皇帝陛下とアポロニア皇妃に目を瞑り、幸せを星に祈りつつ、最後に一つだけ言わせて下さい……なぜ不遇な運命になると、みな屋根裏部屋に行くの!?
甘々度 星3
俺様度 星2
現実離れ度 星4
LOVE度 星3