4、『溺愛調教』 アン・カルフーン著 小長光弘美 訳
『溺愛調教』
著者 アン・カルフーン 小長光弘美 訳
(書名 『2人の戦士と乙女』
M・ハート/J・デイル 他
イラスト 蝶野飛沫 収録作)
エロティカラブロルージュ文庫
2021年 第1刷
〜心配性の米海軍特殊部隊員の情愛とお仕置き〜
こちら、改題して別の海外ロマンス小説を三作品合体してアンソロにしたものになっています。個人的には改題前の『真夏の夜のお仕置き』の方がキュンとしますが。
ま『調教』という言葉からご想像頂けるように、SとN(ではないですが…言葉を濁して『磁石』としましょう。以下『磁石』)ちょっとアブナイ溺愛系です。
真夏にクーラーが壊れて2階の窓を開け放っていたヒロインを心から心配して彼女に尽くし、そして裏切られた気持ちを素直にぶつけてくる米海軍特殊部隊のヒーロー。
ここまで聞くと純愛という感じですが、冒頭の文章から何者かが侵入してくる緊迫のシーンから始まります。その文章が鮮やかなこと!これはおそらく訳者のセンスだと思います。
さすが特殊部隊。そうやってきたのか! まるでアクション映画を見ているかのような筆致。ヒーローの『ぼくは確率を読んで行動する人間だ……(略)』(P43)っていかにも特殊部隊って感じでキュンとなりました。
さらに主人公と出会って落とす所がめちゃキュンでした。軍人かは関係なくビーチでこんな男性に会ったら一網打尽にされること間違いなし……だろっ!(バシっ!と思わず本を叩きつける←イメージです。実際にはしません)そしてそんな魅力的な男だから大人の『磁石』は成立するんだなぁ、と納得できました。LOVEなシーンも繊細なタッチで描写されていて、叙情的です。
ちなみにこの訳者の小長光弘美さんは会話文を不思議なリズムで改行する癖(?)があるのですが、その癖にハマるとなかなか心地よい感じでなんとも言えず……イイ……。(訳者の『間の取り方』は本当に勉強になりました。)
甘々度 星3
俺様度 星4
現実離れ度 星5
LOVE度 星5