12、『狂愛と情愛二人のアラブ王子に溺れる夜』 緒莉著
『狂愛と情愛二人のアラブ王子に溺れる夜』 緒莉著 瑞原サクロイラスト プラタン出版 2017年10月
〜刺激が足りない貴方へ贈る、ヤバいヤンデレ兄に支配される弟の歪な情愛〜
バティア国のホテルで働く佐藤愛梨。愛梨は海外暮らしで昔、シャルーク国(?)王子と幼馴染であったために、誘拐された過去がありその時助けてくれた王子と再会をはたします。久しぶりの再会、第一王子アリー殿下にみそめられ恋を楽しむのかと思いきや、第二王子のターリクが日本に帰らせようと画策して……文化の違いゆえに一人での外出もままならず(アラブ圏は男性が同行しないと買い物すら行けないのデス)だんだん寂しさを感じつつ、逃れようとすればヤバい兄王子が従順な弟に命じてさらにヤバい状況に……なーんて書くとヤバい感じが半端ないですが、真面目にアラブの文化と日本文化の違いや恋愛観の違いを描いていてすごかったです。文化のギャップがね。あとアラブ系の王子様はやる事がビックですね。そこもアラブぽさが出ていてしっかりしてます
そう、このTLはかなり世界観がシビア。TL的ご都合展開で王子とハッピーになる、なんてことにはなりません。王子でも自国民以外との結婚は許されないため、第一王子と結婚すれば必然的に側妃にしかなれず、王子も一夫多妻制の世界で生きてきているので、それが当然という態度。でもヒロインは愛しているというところがヒロインには理解できず、脱走を図ろうとして軟禁とヤバヤバになってきたところで本当の過去が明かされます。最後には王子に許されて、何とか幸せになれるのですが……絶対後日アリーは追いかけてくるだろうなぁ……と思うくらい、アリーのキャラが立ち過ぎていて良い意味でヤンデレっぽくて凄かったです。
ラブシーンも過激を極めています。合意ない行為も含まれているので苦手な方はご注意を。ですがそれも含めて後で種明かしもされますが、いやでもやっぱり過激っ!いや軟禁される理由も愛ゆえとはわかるんですけど、でも過激。ふぅ……過激さ具合が伝わりますでしょうか? そしてやっぱりアリー、あなたはヤバいね。兄もですがターリクも相当ものです。その過去が明かされることでシャルーク国の将来が心配になりますが……シャルークの国民と愛梨に平穏な未来が訪れることを祈って本を閉じました。
甘々度 星3★⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
俺様度 星3★★★★★
現実離れ度 星5★★★★★
LOVE度 星4★★★★★