10、『英国系御曹司の異常な愛情』臣桜著
『英国系御曹司の異常な愛情』
臣桜 著
森原八鹿 イラスト
プランタン出版 オパール文庫 2019.10.1
〜攫われた婚約者は軟禁されて攻め苦に喘ぐ。攻め苦の果てには真実の愛〜
英国系御曹司がヤバすぎる本作。主人公、三輪山結奈は叔父夫婦が経営する和菓子屋の跡を継ぐため、お茶文化の勉強を兼ねて英国へ婚約者郁也と婚前旅行に向かう空港で拉致されます。を拉致したのは見目麗しいルーサー・シャーウッド。なぜか純和風屋敷へ連れてこられ軟禁されて「俺が本当の婚約者、あいつは偽物。俺の事を思い出せ」と結奈へ攻め苦を与えます。結奈は混乱しつつも、どうして、なんでと思いながら流されて……という流れはTLの王道ですが、攻め方はアグレッシブいやアブノーマルです。
どうやら結奈は交通事故で両親を失った時のPTSDで記憶が欠落しており……その間の過去が徐々に明かされます。序盤は説明もせず嫌がる結奈に対して和風攻めを仕掛けるルーサーの身勝手感がありますが。GPS付きの足枷は序の口、ヒロインが偽婚約者に連れ去られたらヘリを飛ばして追いかけ(この時点ではヒロインは偽物が本物と思い込んでいる)取り返しては相手を脅迫し、文字通りの束縛……(文字通りの、と書いたところはお察しください)そして軟禁へ。
タイトルに「異常な愛情」とある通り、終始バイオレンスなプレイですが、それにもちゃんとヒロイン想いの深い訳が……。一途にヒロインの事を想い、そこに愛があれば何でも許されてしまうのは、TLは大人のファンタジーだからです(が、本物も偽物の婚約者も違法行為はしてますが……)。結奈が記憶を取り戻さなければバッドエンド確定なところ、無事に記憶も戻ってハッピーな方向へ。あっさり偽婚約者との日々とさよならし、むしろなぜあんな男と英国旅行へ行こうとしたのかと反省します。
記憶を取り戻した事を知らぬ郁也が下衆な手段で己の欲望を満たそうとするのをルーサーが防いで、権力を使い郁也はブラック企業へ強制送還(笑)
めでたし、めでたしかと思いきや、すっかりアブノーマルなLOVEに目覚めたヒロインだったとさ。
甘々度 星3★⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
俺様度 星3★★★★⭐︎
現実離れ度 星5★★★★★
LOVE度 星4★★★★★