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第4回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞

天才探偵助手のここがツラい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

作者: 黒銘菓

 私は探野(さがしの)(たすく)。職業は探偵の助手。

 「(たすく)君、甘いココア頂戴。砂糖飽和寸前で」

 「はい直ぐに」

 窓際のソファで寛ぐのは雇い主の風来(ふうらい)(あい)、名探偵だ。

 「お待たせしました。藍さん、他には何をすれば良いでしょう?」

 「うーん、とりあえず日向ぼっこか好きな事するで」

 「分かりました?」


 風来探偵社は黒字経営。が、超暇である。

 依頼人は月に数人。その時は外出するものの必ず数日で仕事が終わる。

 助手として同行するが、やる事はたいして無い。

 事務所にいる時は時に掃除し、時に軽く事務仕事をする程度。それが無い時は日向ぼっこか好きな事をする様に言われる。

 完全週休2日、午前9時~午後5時、残業無し、福利厚生に保険も完備で月給44万円。

 藍さんは呑気で抜けているけどとても良い人で、仕事も丁寧に教えてくれる。

 誰もが羨む良い仕事だ。














 そんな訳がない!

 名探偵の助手の仕事についてまだ6か月。辞められないけど辞めたい!

 あぁ、文句なら千文字目まで見てから言って欲しい。


 午後五時、電話が鳴る。

 「佑君上がっちゃって」

 そう言って藍さんは電話を取って話し始めた。

 「あー、(クロ)君?そっちも進捗は無い?」

 藍さんに頭を下げて社を出た。



 「あぁ、もし」

 社から少し離れた通りで知らない男に声を掛けられた。

 周囲は廃工場ばかりで通りには他に2人が歩くばかりだ。

 「はい?」

 「貴方は風来探偵さんの助手の方ですか?」

 よく声を掛けられる。藍さんはこの辺では有名人だ。

 「そうです。私が助手の  」

 「一緒に来い!」

 銃口がこちらに向いた。



 名探偵藍は電話を続けている。相手はこの国の特殊機関所属、通称『黒』だ。

 「佑君は良いよ。物腰柔らか、素直で勉強熱心。好きにしてって言ったら社を掃除して過去の事件ファイルの整理電子化までやってくれて…

 毎日観察してるけど、その兆し(・・)は無いよ。佑君がP:AA(一般人暗殺者計画)の実験体1号で最終号の天才暗殺者って(ガセ)だよ。記憶喪失も本物。杞憂だよ」



 向けられた銃口を右手で逸らしながら解体する(・・・・・・・)

 同時に周囲に目を向ける。通行人全員が懐から何かを取り出そうとしている。グルだ。

 「遅い」

 目の前の男の顎を(ストレート)で潰しつつ2人と距離を詰める。

 あっという間に残り2人も眠った(・・・)



 探野(さがしの)(たすく)とは私の本名じゃない。

 記憶喪失の私に藍さんが仕事と一緒にくれた名前。

 「名探偵の助手だからって襲われるのは勘弁だ。」

 でも、記憶喪失の人間を雇ってくれる好条件の職場はここしかない。

 だから、これからも嫌がらせを倒して勤める事にした。

 『天才探偵助手』は『天才探偵+助手』ではなく『天才+探偵助手』だった訳です。

 ちなみに、P:AAの実験体は彼一人だけです。何せ実験に成功し過ぎた彼が実験をしていた組織をボコボコに壊滅させてしまったので……

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― 新着の感想 ―
[良い点] いやー、スゴいっすね。 なんかもうスゴいっていう言葉しか思い浮かんでこないというか…… すべてが小説として完成されてて非の打ち所がないって感じで、圧倒的な才能と努力の差を思い知らされますね…
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