5/25 ナッくん捨てに行きます
仕事から帰りました。
「はぁ……。今日もめっちゃ疲れた。帰ったらなんにもしないぞ」
帰ると、コンロの上に置いていた鍋が、床にひっくり返っていました。
中には煮物をした残りの汁が、鍋の三分の一ほど……。
床、びっしゃびしゃ。
『お帰りー』
のほほんと奥の部屋からナッくん登場しました。
これからナッくんを捨てに行きます。
もう、こんなうざい生き物いらない。
誰か好きな人にでも拾われればいい。
動物虐待する人に捕まってどうなったって私は知らない。
鍋を置きっぱなしにして仕事に出た自分が悪いのはわかっています。
でも今はキレてるので自分のせいにはしたくありません。
すべてをナッくんのせいにしてやる。
私があちこち身体が痛いことも。
ムチャな仕事を先々週からずっとさせられてることも。
全部ナッくんが悪いんだ。
さぁ、橋の下にでも捨てに行こう。
車に乗せて、捨てに行こう。
ナッくんが隠れて出て来ません。
いつもうざいぐらいひっついてくるのに……。
何か、感じ取ってるのかな……。
「嘘だよ、ナッくん。ミルクあげよう」
私がそう言うと、ぱっと出て来て、ミルクを飲み始めた。
やっぱり、可愛い。
ごめんね、捨てるだなんて、心にもないこと言い出しちゃって……。
そしてミルクを飲み干すと、今まとめたばかりのゴミ袋の中身を掻き出しはじめました。
さあ、どこに捨てに行こうかな……。
ふぅ……。
これ書いたらスッキリした。