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11/24 ヤバい!
ヤバい!
ナッくんのミルク缶が今月いっぱいもちそうにない!
支払いが多すぎて、今月残りのお給料はもうあとわずか……
私のお酒半月ぶんとナッくんのミルク缶が大体同じぐらいの値段だ。ミルクのほうが少しだけ高い。
「ナッくん……」
本人に相談してみた。
「来月になったら買ってあげるから、今月ミルクをちょっと我慢して?」
何も理解してないキラキラとした目で見つめられた。
「ママはおちゃけがないと寝られないの」
醜い自分を感じながら、説得を続ける。
「まったくミルクが飲めなくなるわけじゃないの。……ただ、一日一杯を半分に減らしてくれれば……」
『ミルク』という言葉に反応したのか、ウズウズと身を乗り出してきた。
貰えると信じきっているようだ。口からピンク色の舌がペロペロ出ている。
「そっか……」
私は、負けた。
「ナッくんはミルクを飲むために生きてるんだもんね」
新しいミルク缶を買いにいった。
今月半分に減らされることになったのは、私のおちゃけのほうだった。





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