11/17 私が見てなければいいのかな?
ナッくんを撫でようとすると逃げられる。
若い頃よりは触らせてもらえるようになったが、今でもやっぱり背中を撫でただけで『やめろー!』みたいな表情になって、逃げる。
膝の上に乗せて思う存分撫でようなんて思ったら後悔する。
すごく嫌なものから逃げ出すように必死で下りようとするから……ちょっと傷つく。
床に寝転んでいると、背中にナッくんの気配がした。
前を向いたまま、後ろに手を伸ばしてみると、あったかくてもふもふしたものに触れた。
逃げない……
まったく抵抗することなく、私が撫でるのに身を任せている……。
後ろにいるので見えないが、嬉しそうに身をくねらせているのがわかる。
そのうち短い前足で私の手を掴んできた。
いつもならガブッ! と噛みついてきて、プロレスごっこが始まるところだ。
ペロペロと優しく舐めてきた……。
撫で放題である。
イチャイチャするフェレット同士のように、ナッくんと私の左手が、ずっと仲良くじゃれ合っていた。
私が見てなければ素直に撫でさせてくれるということなのだろうか。
あるいはやはり、私の左手のことは『友達』だと思っているのであろうか。
ナッくんに聞いてみないとわからない……。





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