9/21 ミルクばっかりじゃないんだからな
休日のこと──
就寝中、ナッくんが何度も起こしに来た。
いつもの激しい安眠妨害とは違って、なんだか訴えるように──
噛みもせず
堀りもせず
顔に顔を近づけてフンフンもしない。
時計を見ると起きるにはあまりにも早い時間。
「もー……。朝になったらミルク作ったげるから、それまで我慢しとき」
そう言って頭を撫でると、『なんてことだ』みたいな愕然とした顔をした。
7時前になってまたやって来た。
腕や鼻をペロペロ舐めてくる。
『お願い……起きて』みたいにじっと見つめてくる。
昨夜は酔っ払っていつ寝たか記憶がない。
まぁ、でも、たぶん6時間は眠っただろう。
出来れば休日は10時間以上寝たいが、早起きは百円の徳とかいうしな……。
私がベッドからむっくり起き上がると、ナッくんが全身で喜びを表現した。
ピョンピョン飛び跳ね、私の足に抱きついてくる。
ミルクを作ってあげようとする私を無視して、ある場所へまっすぐ駆けていった。
振り返って、ソワソワとしながら私を見る。
ナッくんのトイレがうんちで溢れていた。
あぁ……
『トイレを掃除してくれ』という意味だったのね。
実際、フェレットはトイレの綺麗さにこだわる。
トイレの掃除をしてくれるひとに一番なつくと言われているほどだ。
私が留守中にトイレが汚れていると、大抵トイレの外でしてしまう。
他の場所にもトイレはあるが、そこでしたいと決めたら何が何でもそこでうんちがしたいようだ。
掃除してあげると、急いでトイレに入り、しっぽを高く上げた。
気持ちよさそうな顔をして、我慢してたから勢いよく出たのか、ぷりっという音が聞こえた。