9/20 飼い主が怒った
おれ、ナッくん
おれ、ミルク大好き
飼い主がいつものアレを飲みはじめた
なんか臭いアレ
おれ、匂いを嗅いだだけでブルブルってなる
飼い主はミルクのように好きなアレ
おちゃけとかいうやつだ
おれにはちっとも興味もない
ミルクがどっかに落ちてないか、探して歩いてたら
飼い主のアレが入ったコップに、体がぶつかった
倒れた
ぜんぶこぼれた
絨毯びっちゃびちゃ……
まぁ、おれには関係ない
「うわあーーーっ!」
飼い主が叫んだ
知るか
おれの通り道に置いとくのが悪い
「お金ないのに! 貴重なおちゃけがぁーっ!」
飼い主がわめいてる
知るか
おれには関係ないね
ミルクがどこにもないから飼い主の肩に手をかけて、おれ、聞いた
『なー、ミルクないんだけど……』
首の後ろを掴まれた
ベッドの上へ放り投げられた
降りて、もう一回聞きにいった
『なーなー、ミルク欲しいんだけど』
飼い主が怒った声で、言った
「もー、あんたは一生ミルクなし!」
なんでだ?
おれ、臭い水をこぼしただけだぞ?
次の朝、飼い主がなかなか起きないから、起こしにいった
飼い主のてのひらをベロベロ舐めて、ミルクを舐めるみたいにベロベロ舐めて、訴えた
『起きろー、ミルクを作れー』
寝ぼけまなこで飼い主が起き上がった
トイレに行く前に、ミルクを作ってくれた
ふふふ……
やっぱり一生ミルクなしなんて、嘘だったんだな





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