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9/18 ナッくんは賢い……のかもしれない?
薬を飲むため、紙コップにお水を汲んだ。
粉薬なので多めに汲んだ。水をまず口に含み、そこへ粉薬を入れる。
口の中に少し残った嫌な味を流し込むため、とどめの水を流し込む。
ちょっとお水が多すぎた。
紙コップの四分の一ぐらい残ってしまった。
まぁ、いいかと床の上に置いていたら、ナッくんがやって来て頭を突っ込んだ。中の液体をチェックしている。
『……なんだ、ただの水かよ』みたいに頭を出したが、そこで何やら考え込むような顔をした。
いきなり紙コップの縁を咥え、持っていこうとする。
中の水をこぼさないように、上手に運んでいく。
ミルク皿のところへ持っていったところで取り上げた。
「水なんか持っていって、どうするつもりなん?」
そう言って、はっと気がついた。
もしかして──
この水をミルク皿に入れたら、ミルクができると思ったのかもしれない。
賢いのやら──
とんでもなくアホなのやら……。