8/1 ナッくんを無視してみた
仕事から帰った。
部屋に入る前から決めていた。
ナッくんを徹底的に無視してみよう、と。
私が帰宅した時、ナッくんの反応は大きく分けて二通りだ。
1、待ってましたとばかりに飛び出てきて、ミルクをねだる
2、寝てる
今日は少し違った。
私が部屋に入るとのそのそ出てきて、ウロウロしはじめた。
ミルクをねだってこようが何をしようが、ナッくんのことなど見えてないように無視しよう。そう思っていると──
ナッくんも私のことを無視して、私が置いた荷物のチェックをはじめた。
なかなか私のほうを見ない。
クッ……! 私のほうが無視されている!
そう思っているとようやく近づいてきた。
私は無視して天丼を食べはじめる。
天丼を持つ私の左肘をペロペロ舐めてきた。
クスクス笑いそうになるのを噛み殺しながら、無視して天丼を食べ続ける私。
シャツの中へ入り込み、脇腹をペロペロ舐めてきた。くすぐったい!
なんとか耐えた。無視し続けた。
大人しくなった。
左側にくっついているのは感じる。
見ると、私の左側にぴとっとくっついて、へそ天でじーっとこっちを見つめていた。
たまらずミルクを作らされた。