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6/18 ナッくんが、もしも──
ナッくんがめちゃめちゃかわいい……
眠ってると思ってたのに、私がトイレに行っただけで、とととと! と追いかけてきてくれた。
「起こしちゃったね。ごめんね」
ミルクをあげると、夢中でペロペロする。
今、ミルクのあとのまったりを、私のベッドの上で繰り広げてる。
仰向けになった頭に、手を差し入れると、スリスリしてきた。
かわいい──
でも──
もしも、ナッくんの姿が、黒くて油ギッシュで、長い触角がユラユラする虫のようだったら──
私はそれでも愛せるのだろうか。
トイレまで追いかけてきたナッくんを抱っこした。
スチャッ! と肩に掴まって、安定する。
めちゃめちゃかわいい。
でも──
もしも、姿がかわいくなかったら、それでも私は愛せるのだろうか。