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6/7 心配してくれるナッくん
スマホゲームをやっていた。
たかがゲーム──でも、あまりに意地悪な展開に、ついつい声が出てしまう。
「意地悪すぎるやろー!」
あともう一回あれば、課金すれば続けられるという展開の連続に、ついつい声を荒らげてしまう。
「そんなに課金させたいんかぁーー!!!」
ふと見ると、ハンモックで寝ていたナッくんが、心配そうにこっちを見ていた。
『大丈夫か?』みたいな顔で、じーっと見つめていた。
「……あっ、ごめんごめん、ナッくん。気にせんとって」
物凄く心配そうに、しかし眠たそうな目で、じーっと見守ってくれる。
「なんでもないから。ごめんごめん、怖い声出して。……気にせずお休み?」
私が静かにゲームをしだすと、ようやく眠ってくれた。