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5/18 念を送る白イタチ
ナッくんが私のかかとを枕にして、横向きに寝転びながら、じーっとこっちを見てくる。
丸い目で飼い主を見つめながら、その表情はどう見ても何かの念を送っている。
『ミルク……』
『ミルクが欲しいな……』
『ミルク、ミルク……』
『ミルクミルクミルクミルク……』
『ミルクミルクミルクミルクミルクミルクミルクミルクミルクミルクミルクミルクミルクミルクミルクルミ……』
無視してスマホを見続ける飼い主。
今日はもう4杯もおかわりをあげている。
「あっ、そろそろお風呂入れなきゃ」
立ち上がろうとした飼い主のかかとには白いイタチのちっちゃな頭が乗っていた。
立ち上がれない……。
『ふっふっふ……。どうだ』
『かわいいおれを邪険にはできないだろう?』
横向きに寝転ぶその顔が、ニヤリと笑ったように見えた。
構わず立ち上がり、お風呂を沸かしにいった。





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