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4/22 プロレスごっこ
雨の日、うざいナッくんがプロレスごっこを仕掛けて来た。
洗濯物を部屋干ししている私の足元にやって来て、体当たりを食らわせて来る。
「わかった、わかった。これ終わったら遊んであげるから」
そう言ってもしつこく飛びかかって、ふくらはぎを噛んで連れて行こうとする。
「よし、かかってこい」
ベッドの上に私が腰を下ろすと、少し離れたところで向かい合って、戦闘ポーズをとる。
口を開け、牙を見せつけながら、威嚇姿勢でこちらの隙を窺っている。
だだーっ!
突進して来る。
その前足を両方受け止めて、えいっ! とうっちゃれば、ころーんとお腹を見せてひっくり返る。
その格好が可愛くて、思わず笑ってしまう。
何度でも突っ込んで来る。
いつもなら、しつこい、うざい。
でもこちらも遊んでる気分になってるので、ひたすら楽しい。
「えいっ」
ころーん
「ほりゃっ」
ころーん
そのうち受け身をとるのが上手になって来て、投げた瞬間に猫のように身を翻し、お腹が見れなくなる。
そうなったら、おしまい。
だってなんかその余裕の受け身がムカつく。