4/20 春くんは可愛がられ上手
3年前の秋、私は突然入院することになりました。
夜、寝ていたら、突然胸が締めつけられるように苦しくなり、自分で救急車を呼びました。
まさか自分がそんなものにかかるなんて思ってもなかった心臓の病気。かかるとしても老人になってからだろうぐらいに思ってたような病名。
……まじかよ。
どうも唐揚げばかり食べていたせいか、血液がドロドロになっていて、心臓の血管の細いところが詰まったようです。
会社に連絡して休みをもらい、5日間入院しました。
母が従姉妹のHちゃんとSちゃんと3人で見舞いに来てくれて、私に聞きました。
「何か困ってることある?」
作りかけのおでんがあるので処分しておいてほしいこと、
そしてフェレットを一本置いて来ているので世話してほしいことをお願いしました。
次に見舞いにやって来た時、3人とも顔がとろんとろん。
恋するみたいにとろけていました。
Hちゃん(女子大生)「何、あいつ。可愛い〜♡」
Sちゃん(女子大生)「あたしの手にいっぱいキスしてくれたがん(米子弁)」
母は動物が好きじゃありません。
アレルギーはないのですが、昔、家で飼っていた猫を『土足で家に入って来るのが大嫌い』と言って触ることもせず、いつも私に足の裏を濡れ布巾で拭かせていました。
そんな母が、とろんとろん。
母「春くん、可愛いんよ〜。あたしのね、足の甲にね、枕に頭を載せるみたいにゴローンってして、可愛い目であたしのこと見つめて来たんよ〜」
春くんはとにかく可愛がられ上手でした。
公園へ連れて行っても愛想を振りまきまくり、『僕はあなたのことが大好きだよ』アピールをして、みんなをとろけさせていました。
母「連れて帰りたい〜って思ったよ」
ふふ。
ふ。
甘いな。
一番大好きな飼い主には全然態度が違って超ツンデレなんだから。