1/7 ナッくんがようやく飼い主を信頼してくれはじめました
私が入浴を終わって、カチャッと扉を開けたら大抵ナッくんがそこでスタンバイしています。
『やった! 開いたぞ!』みたいにいそいそと入ってきて、洗面器の中をチェックし、私の足についた水滴をペロペロ舐めます。
「寒いから閉めるよー」
そう言って私が扉を閉めると、前までは『大変だ! 閉じ込められた!』みたいにパニクってました。
私が「飼い主ここにおるやろー」と言っても聞く耳もたず、自力で脱出しようと出口を探しまくり、浴室のドアをカリカリ引っかき、たまにこっちへ戻ってくると私の足をペロペロ舐め、すぐにまた扉のほうへ行ってパニック状態になっていました。
今日も入浴を終え、カチャッと扉を開けるとナッくんがスタンバイしていました。
いつものように入ってきて、洗面器の中をチェックし、私の足についた水滴を舐めるナッくんに、言いました。
「寒いから閉めるよー」
閉めたけど、落ち着いていました。
閉じ込められたとは思っていないようで、ちっとも慌てていません。
ようやく飼い主を信頼してくれたか……
そう思っていると、扉のほうを見て愕然としたような表情になりました。
扉のほうへ行き、いつものように自力脱出を試みる格好をしました。
……やっぱり学習能力ないんかい……
でも一瞬だけでした。
すぐに私のほうへ戻ってくると、足をずっとペロペロします。
ようやく信頼してくれはじめたようです。





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