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12/30　なぜ、ナッくんがここに……？

　居間とキッチンを仕切る引き戸をナッくんが開けられないようにしました。

　しょっちゅう開けっぱなしにして、スースー冷たい風が入り込んでくるので。

　私がいつも開ける側には柱にプラスチックの棒を貼り付けました。

　隙間に爪を入れられなくなったので、ナッくんには絶対に開けられません。

　反対側が主にナッくんの通路になっているので、今までは少しだけいつも開けておいてあげました。

　私はそっちから出入りすることはないので、家具で塞いでやりました。こっちからもナッくん、絶対に出られません。

　それでも根性で開けようと悪戦苦闘するナッくんをフフフと眺めながら、大掃除の続きをやっていました。

　ふー……。そろそろお昼ごはんにしよう。

　カレーが作ってある。あれに貝柱を足して、温めて──

　そう思いながら、引き戸を開けると……

　キッチンの真ん中にナッくんが立っていました。

　まるでタイムスリップしたひとみたいに、『……なんでおれ、ここにいるんだ？』みたいに呆然とした感じで。

　……ホンマ、なんでキミ、そこにおるん？