12/13 記憶喪失になりました
約20時間、ほぼ休みなしでずーっと車を運転してました。
まぁ、過去に毎日23時間20分連続運転を1ヶ月限定でやらされたことがあるので、それと比べれば大したことはないのですが──
でも疲れました。
くたびれて──
記憶喪失になりました。
部屋に帰ると足元に何か白いものがすり寄ってきました。
「うわ! 何、この動物!?」
私がそう口にしても、揺るがずにぴったりと足の甲に乗っかって、くっついています。
何かを強く求めるような表情で、じっと私の顔を見上げてきます。
なんだろう──
なぜ、この白い動物は、こんなにも熱烈に、私の顔をじっと見つめているのだろう──
なぜ、私はこんなにも、この動物に懐かれているのだろう──
何に使うものなのか、ガラスのお皿が床に置いてありました。
「これは……何?」
私がそれを手に取ると、白い動物がめっちゃソワソワとしはじめました。
そこら中をうろつき回り、戻ってきては私の手に前足を乗っけてきます。
ガラス皿にミルクを作って入れてみました。
白い動物が、私のことなどまるでどうでもいいように、夢中でそれを飲みはじめました。
飲み終わったらとろけます。
顔を洗い、絨毯にほっぺたをなすりつけ、とても満足そうです。
大好きなものを堪能した白い動物を見ながら、私も笑顔になっていました。
そして記憶を取り戻したのです。
「ただいま、ナッくん」





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