12/7 ナッくんがかわいいのは当たり前じゃない
ナッくんが甘えてくる。
私の手をせっせと頭で起こそうとし、横向きにガジガジと噛んでくる。ちっとも痛くない。
頭をがしっと掴んでやると、大喜びでひっくり返って、両手で私の手を掴み返してくる。ついでにガジガジ、ペロペロ……。
フェレットはファームにいる赤ちゃんの時から人間と触れ合ってるから、ペットショップで売りに出された時にはもう人間大好きだ。
少なくともハルもナツもそうだった。
ペットとして産まれ、育てられたから、当然のように人間に懐くし、しつければいい子に育つ。
フェレットがかわいいのは当然だ。
でも、ナッくんがかわいいのは当然じゃない。
屋外で放しても逃げたりしない。
手を差し伸べると、じっと抱っこされるのを待っている。
私が座っている横でへそ天になって、じーっと私を見つめている。
夜中にふと目を覚ますと鼻にくっつくぐらいの位置に立っていて、じーっと私の顔を見つめている。
そんなこんなが積み重なって、私には特別にかわいいフェレットになってしまった。
普段、生活の中で、ナッくんがいるのが当たり前みたいに思ってしまっているけれど──
こんなかわいい生き物が同じ部屋にいるのは当然なんかじゃない。
尊くて、ありがたいことだと、感謝することを忘れずにいたい。





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