「ナッくん、50歳かー……」
とてもそうは見えない。
キラキラした目で私の前にお座りし、ミルクがもらえるのを待っている。
「はい、お待たせ」
ミルクの入ったお皿を床に置くと、夢中で飲みはじめる。
飲み終わったら顔を洗う。
肉球をペロペロ舐めて─
両手で頭を抱え込むようにして、下へ向けてふきふき──
『ふー……。美味しかったー』

顔を洗い終わったらまったり。
そんなに子猫用のミルクって美味しいのだろうか。
じぶんの指についた粉を、初めて舐めてみた。
甘くて練乳みたいな味。
あぁ……。こりゃ夢中になるわけだ。