2/22 それは君にはきっと毒
豆乳は無調整に限る。
昔はコーヒー味が好きでよく飲んでいたが、今は断然無調整だ。豆腐汁みたいな自然の甘みがたまらない。
台湾へ行って豆漿を飲んでからなので、ごく最近からの趣味である。
ナッくんは白いものが大好きだ。
猫用ミルクはもちろん、バニラアイスクリームを私が食べていると真正面からねだりに来る。
本当はフェレットに甘いものは良くないが、あまりに欲しそうなのでつい、スプーンにちょこっとだけ、あげてしまう。
『もっとくれ! もっと! もっとだ!』と、くねくねしつこいが、もうちょこっとだけしかダメなんだからね。
豆乳は、白い。
しかし原料はもちろん大豆である。
フェレットは完全肉食。植物性のものを与えてはいけない。
しかしナッくんは白いものに目がない。
私が豆乳を入れてテーブルに置いた紙コップに飛びついて、中に頭を突っ込もうとする。
フェレットに食物繊維はほんの少量しか必要はない。
あまり食物繊維を取りすぎると命に関わることもあると聞く。
でも豆乳はいわば大豆から食物繊維を取り除いたものである。
いいんだろうか?
フェレットに豆乳、飲ませていいんだろうか?
そう首をひねりながらも、私は紙コップを取り上げる。
『ああっ! 飲ませろ!』とナッくんは悔しそうにする。
一体何の匂いにつられてこうもしつこく突撃して来るのか……。
なぜにこんなにも白いものが大好きなのだろうか……。
もしかしてまだ乳離れしてないのか?