3/21(2) 夢……じゃなかったと思う
今朝、いつものようにナッくんに安眠妨害をされました。
さすがに私の弱点を知っている。
寝間着の上とズボンの間を狙って、正確に生腰を爪で攻撃してきました。
以前の私はこれに怒っていましたが、最近は慣れてしまったのか、安眠妨害されたら笑うようになりました。
「キャハハ! さすがナッくん! あたしの弱いところをよく知ってるねぇ!」
時計を見ると目覚ましが鳴る1時間半前。きっちりあと1時間半寝たい。
「よしよし」
そう言って撫でてやると、『やめろー!』みたいに抵抗して、ようやくあっちへ行ってくれました。
私はうとうとと再び眠りに入りました。
ナッくんの顔がどアップで目の前にある気配を感じました。
唇に冷たい鼻をくっつけてくるので、嫌がって布団をかぶりました。
しばらくまたうとうとしていると──
私の伸ばした腕に、何か心地よい、丸いものの感触がありました。
布団から顔を出し、うっすらと目を開けてみると、ナッくんが私の腕を枕にして、仰向けに寝転んでいました。目はぱっちり開けたまま、天井を見つめて、私の腕にちっちゃなその頭を乗せています。
そのままナッくんが左へゴロンと寝返りを打つ。
続けて今度は右側へ寝返りを打つ。
それをずっと繰り返していました。
そうされるのが私もなんだか気持ちがよくて、コロコロと転がるイタチの頭を腕の上に感じながら、すやすやと眠りに入っていきました。
起きてから、あれは夢だったのかなぁ……と思いましたが、
いや。夢……じゃなかったと思う!