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【エッセイ】ペットにフェレットをお勧めしない理由

過去に投稿していたエッセイをそのまんまコピーして、こちらにも挟みました。

 過去にいくつか私はうちのフェレット自慢のようなエッセイを書きました。

 フェレットくんの可愛さのお陰でどれも好評でした。

 私のエッセイを読んで、フェレットって可愛いんだな、飼いやすいんだな、と思われた方もいらっしゃるかも?

 そして実際に『飼ってみたい』という誘惑にかられた方ももしかしたら、いらっしゃるかもしれません。


 きっぱり申し上げます。


 ペットにフェレットはお勧めいたしません。




 私がフェレットをお迎えしたのは、猫が飼えない環境だったためです。

『ケージに入れて飼える動物』というのが絶対条件だったので、その中でも触れ合える動物として、モルモット、ファンシーラット、そしてフェレットを候補に絞りました。

 その時別の動物を既に飼っていたのですが、もう平均寿命をとっくに越えたおばあちゃんで、いつあの世に行くかもわからなかったので、一人にされる前に寂しくないように若い子を迎えておこうと卑怯者は思ったのです。


 色んな情報を読み、フェレットって理想的なペットなんじゃないか?って思いました。

 ケージで飼えるのはもちろん、なつく、賢い、トイレのしつけができる、触れ合える、何より見た目が可愛い。


 そしてフェレットをお迎えして、私は後悔しました。




 なぜ後悔したか?

 なぜ私はフェレットをペットにお勧めしないのか?

 その理由を挙げて行きたいと思います。



1、臭う


 イタチは臭腺という臓器を持っていて、危険を察知するととても臭い屁をこいて身を守ります。スカンクなんかもイタチ科です。

 日本に流通しているのはほとんどがその臭腺を赤ちゃんの時に手術で除去している『スーパーフェレット』と呼ばれる『商品』なので、屁をこかれる心配はありません。

 ただやはり独特の臭さはあるようで、私などはその香ばしい匂いが好きなのですが、ダメな人はそれがダメなようです。



2、犬でも猫でもない


 フェレットはよく『犬と猫のいいとこ取りのペット』とか言われます。

 確かに言うことを聞き、駆け回るその姿は犬のようで、自由でわがままでネコジャラシに飛びつくところは猫のようです。

 でも犬みたいには言うことを聞きませんし、散歩は出来ますが人間の運動にはあまりなりません。

 猫みたいに自由で『猫様』に迫るほどの『イタチ様』っぷりではありますが、猫みたいに膝の上でまったりはしてくれません。中にはしてくれる子もいるようですが、基本的にはツンデレでいつも動き回ってる落ち着きのない子が多いです。

 結局、犬でも猫でもないのです(当たり前か…)



3、噛む


 赤ちゃんの時は特に、必ず噛みついて来るものだと思ってください。子によっては激しく血が出るほどに噛みついて来ます。

 ちなみにうちの子の場合、最初の子はお迎えした時から加減がわかっていて、流血したことは一度もありませんでした。噛む場所も手と足以外は絶対に噛まず、でも噛まれるのは嫌なのでしつけをしたら、三ヶ月ぐらいで、ふざけて愛情表現で噛むふりをする以外にはまったく噛まない子になりました。

 今の子はちょっと大変でした。加減を知らないのでよく血が出るほど噛まれました。しかも耳、鼻、唇、首などにもバクバク噛みついて来ました。

 しつけをしたらすぐに手と足以外は噛まないようにはなりましたが、いまだに手と足にはガンガン噛みついて来ます。甘噛み程度の強さですが、好きに噛ませていると段々と強くなって、今でも痛くて声が出てしまうことあります。

 顔は絶対に噛まないようにはなりました。噛まない代わりにぺろぺろしてくれます。


 ちなみにふたりとも飼い主以外の人は絶対に噛まない良い子です。

 誰彼構わず噛みつく子はよくいるらしいので、公園でフェレットを連れている方を見かけたら、必ず「噛まないですか?」「触ってもいいですか?」と確認してから触れ合いましょう。

 出会うなり「可愛いー!」と絶叫しながらいきなり頭を撫でに来る子供さん、多いんですよ……(心配)



4、事故


 フェレットは事故の多いペットです。特に多いのが落下事故と誤飲事故です。

 高いところに登るのが大好きですが、降りるのがド下手くそですので、うちの今の子もしょっちゅうバタンバタンと落ちています。

 それほど高いところには登れないように工夫してあるのですが、それでも心配です。

 ちなみにベランダから落ちて死んだという話はよく聞きます。

 また、腸が細いので、床に落ちてた輪ゴムとかを誤って飲み込むと、すぐに詰まり、腸閉塞を起こします。そうなったら手術するしかありません。

 幸いうちの子は2代とも、なんでも口には入れない子なので、誤飲の経験はないのですが、誤飲が心配なら飼い主の目が離れる時にはずっとケージに入れておくほうがいいでしょう。



5、病院


 フェレットを診れる病院は本当に少ないです。診察可の動物の欄に『フェレット』と書いてあっても、あまり信用は出来ないようです。

 うちの初代の子の場合、近所に『フェレット診れます』という獣医さんがあって、そちらにかかっていたのですが、

 ほんの1か月ほど前に触診で『元気ですね』『異常なしです』と言われたのが、ある日突然ぐったりとなっていて、もう一度連れて行ったらリンパ腫(血液の癌、白血病)と診断され、余命1か月を言い渡された1週間後にこの世を去りました。

 今の子はお迎えしたお店で聞いて知った『名医』と名高い先生にかかっています。車で1時間以上走ったところにありますが、それでも近くにそんないい先生がいて幸運だったと思っています。

 住んでいるところによってはフェレットを診れる先生がいないような地域もあるでしょう。それほどまでに、フェレットを診られる先生は少ないと思ってください。



6、病気


 何よりも私がフェレットをお勧めしない理由はこれです。

 4歳を過ぎるとフェレットは大抵重大な命に関わる病気にかかると言われています。

 病気にかかったら治療は出来ず、半年〜一年程度の延命が出来るだけだと言われています。一回の手術に15〜20万円かかり、一匹のフェレットを長生きさせようと思ったら大体200万円のお金が必要だと言われています。

 犬や猫のように懐いて、『生きてるって楽しい』を全身で表現してくれて、飼い主の愛情を一身に受けておいて、そんなフェレットの平均寿命は、延命措置をしなければ大体5年と言われています。延命措置をしても8年だとか。

 4歳まではむしろ病気にかかりにくいと言われていますが、うちの先代の子は1歳半でかかりました。

 この子が自分の手の中で死んだ時、もう絶対にフェレットなんか飼わないと思いました。

 これだけ愛させておいて、こんなに簡単に私だけこの世に残して先に逝ってしまう動物なんて、もうごめんだと思いました。



7、可愛すぎる


 もうごめんだと思いながら、先代の子が死んだ1週間後に私は今の子をお迎えしました。

 病気にかかりやすい動物だと身をもって知ったというのに。

 どうやらフェレット沼に落ちたようです。


 私のようにならないために、フェレットを飼うことはお勧めしません。



 

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― 新着の感想 ―
[一言]  私、猫でも手にあまると思う。  くまのぬいぐるみが楽です(笑)
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