1/8 ナッくんとプリン
最近、ナッくんがプリンに憧れている。
年末年始の連休に、3個1綴りのプリンを買ってきた。
ゼラチンでぷるぷるした、安っぽいやつだ。
安くて安っぽいけど、これが美味いのだ。
蓋を取ると、寝ていたナッくんが急いで出てきた。
『なんだ……、このたまらん匂いは』というように、じっと私のほうを見ている。
ゼラチンでぷるぷるのやつをナッくんに食べさせたくなかった。
取った蓋をあげると、その裏を夢中で舐めた。汁しかついてないのに、夢中だった。
『これの本体が食べてみたい!』そんな顔をしていた。
グリコの『とろ〜りクリームonプリン』を買ってきた。
おおきなカップに入ったプリンの上に白いクリームがかかっているやつだ。
蓋を開けたが、ナッくんは見えないところでぐっすり眠っていた。
プリンはプッチンプリンみたいな感じで、つまりはやはりゼラチンのぷるぷる……。
ぜんぶ私が食べきった。
ナッくんが起きてきた。
トイレに行き、食べ終えられたプリン容器の側を通りかかる。
『ンッ!?』
表情が変わった。
容器の中には白いクリームをたっぷりめに残しておいてあげた。
黄色いプリンと白いクリームが混ざり合い、ナッくんにとってはたまらんエキスになっていた。
おおきめの容器に顔を突っ込んで、夢中でペロペロしはじめた。
相当たまらんかったようだ。
ペロペロしながら、途中で何度か容器の中から顔を出し、とろっとろにとろけていた。
絨毯に顔を擦りつけて、美味しいことを全身で表現して、また容器に顔を突っ込んでいた。
相当好きなようだ。
まだプリンそのものは食べたことがないが、プリンエキスが相当好きなようだ。





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