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ナッくん日記【フェレットとの生活】  作者: しいな ここみ
2023年 11月

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11/11 ホンマおもろいやつ……

 ナッくんがミルクを飲み終えた。


 飲み足りなかったようだ。

 わたしにグイグイおかわりを求めてくる。


「もうミルクはだめだよ〜」

 あげたくなるのを必死で抑え、毛玉除去剤をお皿に入れてあげた。

 薬とはいえ甘い味がついているらしく、ナッくんはこれも大好きだ。夢中でペロペロし終えると、また私の前にやってきた。


「ごはんを食べなさい」


 おやつばっかり欲しがる彼をたしなめる。

 でも彼の目はキラキラしてる。私の手から次のおやつが出てくるのを期待している。


「……ジャーキーあげよう」


 私も甘い。甘すぎる。

 ハムスター用のお肉ジャーキーがナッくんは大好きだ。久しくあげてなかったので、これならいいだろう、と私は自分で自分を甘やかした。


 小さなサイコロ型のジャーキーだ。チーズ入り。

 手のひらの上にコロンと置いて、ナッくんの前に差し出した。


「はい、どうぞ」


 ナッくんは急いで近づいてきて、フンフンと匂った。

 顔を傾けて、口を横にして、私の手を噛んでしまわないようにしながら、ジャーキーを取ろうとする。


 これが受け取れないんだ、ナッくんは……


 私の手を噛んでしまうことを異常に恐れるのか、ナッくんは人の手からおやつを取ることができない。

 口の横から必死で受け取ろうとするが、唇をすべってしまって、ずっとコロンと落ちてしまう。

 知っていながら手のひらに乗せた私は意地悪である。

 頑張っておやつを取ろうとしながらコロン、コロンを繰り返すナッくんをクスクス笑って鑑賞する。


 あきらめたようだ。


 名残惜しそうにジャーキーを横目で見ながら、背を向けかけた。


「ごめん、ごめん。ほら」


 私がジャーキーをお皿に入れると、すぐに口にくわえ、夢中で食べはじめた。


 ホンマ、おもろいやつ……。


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― 新着の感想 ―
[良い点] たまりませんわ~(´艸`*)
[良い点] 祝400回おめでとうございます~(*^^*)♪ ナッくんおめでとう!(o´∀`)b [一言] 実はもう少し手前を読んでまして(^_^;) 先にお祝いに伺いました(^人^) 応援してます…
[良い点] 手を噛むのを恐れて口の端でジャーキーを受け取ろうとする様子からは、しいな様を気遣う心理が伺えますね。 きっと、「前歯で噛んだら痛いだろうな…」という意識が働くのでしょうね。
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