10/3 ミルク飲みたいモードと遊んでほしいモード
ナッくんが飼い主に近寄って来る時、明らかに2種類のモードがあります。
ミルク飲みたいモードと遊んでほしいモード。
ミルクがほしい時はガンガン近づいて来ます。
飼い主の顔を熱烈に見つめながら、膝に前足をかけて、ズンズン迫って来ます。
頭を撫でようとすると後ろへかわします。
『そうじゃない! そういうことじゃないんだ!』というふうに、プロレスごっこにも乗って来ません。
しばらくそんな感じでアピールを続けますが──
ミルクが貰えないとわかると、諦めたように背中を向けて、自分の寝床に帰って行きます。
後ろ姿に哀愁が漂っています。
遊んでほしい時は飼い主の側を行ったり来たりします。
私になんか興味もないふりをしながら、構って貰えるのを待っているのがバレバレです。
頭を撫でると『待ってました!』というふうに、まずは頭で私の手をぐいぐい押し返し、そこからプロレスごっこを開始します。
私の手に抱きついて、水かきの部分に『ぐわっし!』と噛みついて来ます。
嬉しい声を出しながら、しっぽを立てて部屋中を駆け回りながら、しつこくしつこく私を攻撃して来ます。
私が布団に入ろうものなら『寝させてなるか!』みたいに、私の鼻の下をしつこく舐めて来たり、背中に穴を掘ろうとしたり、安眠妨害を繰り返します。
「はいはい……。ナッくん、ミルクいる?」
ミルクを作るとしばらく遊ぶどころではなくなります。
樹液に吸いつくカブトムシのようにじっとミルク皿に顔を埋めます。
飲み終えると、美味しかったことを全身で表現します。溶けたバニラアイスみたいに絨毯に体をなすりつけて、まったりします。
そしてまた『遊ぼう』と、寝ている私の顔にキスして来たり、右手に噛みついて来たり、腕をくわえて引っ張って行こうとしたり、安眠妨害を再開します。
しまったなぁ……、構ってあげるもんじゃなかったなぁ……
そう思いながらも、私の顔は笑ってしまっています。





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