9/25 ドタバタチェック
いきなり仕事で長距離を言われ、一旦部屋に帰って急いで準備をした。
まぁ何となくそうなるかなとは思っていたのでご飯は炊いてある。持って行くものもまとめてはある。
とはいえ、あとは持って出るだけにしてあっても結構ドタバタする。
私がドタバタしていると、ナッくんが『なんだなんだ』みたいな顔をして起きてきた。
私のあとをついて回る。
私が触るものをすべてチェックする。
引き出しからお菓子の入ったビニール袋を取り出すと、もぞもぞと中に入り込んで一つずつお菓子を確認する。
保冷用の発泡スチロールの箱を開け、冷凍庫から保冷剤を取り出し、振り向くと箱の中でイタチがお座りしていた。
着替えのズボンを座椅子の上にとりあえず置いて、ふと見ると裾から小さな白い顔が覗いている。
ご飯をタッパーに詰め、蓋を閉めるとその上にナッくんが乗る。
すべてをまとめ終え、リュックを床に置くと、踊るように駆け寄ってきて、閉めたばかりのジッパーを開けて中をチェックしようとする。
ナッくんのご飯よし! 水、よし! トイレ、よし!
出る前にミルクをあげるとしよう。
座椅子に腰を下ろして一服していると、自分の寝床に帰って行くナッくんの後ろ姿が見えた。
私の荷物チェックでヘトヘトになったような歩き方だ。
「ナッく〜ん、ミルク作ったよ?」
呼んでも出てこなかった。
荷物を全部持ってガサゴソと音を立てながら玄関へ歩いても、追いかけてこなかった。





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