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9/12 朝のおじさん
5時に目覚ましをセットして──
6時に起きた。
なかなか布団から出られなかった。
何が何でも起きたくなかった。
四重にセットした目覚ましがけたたましくなる中、身を何度もよじらせて、
「うあああーっ! 起きればいいんやろ!」
ようやく起き上がった。
床に立ち上がった。
ダダッ! という足音がした。
見るとテレビ台の裏の方からナッくんが嬉しそうに駆けてきた。
『おはようっ!』みたいな動きで、私の足に抱きついてきた。
めっちゃ可愛かった。
「おはよう!」
私も元気に挨拶を返した。
頭に手をやって撫でようとすると、
『うわーーーっ! やめろーーーっ!』
コロコロ転げ回って私の手をかわす。
そのまままたテレビ台の裏の方へ逃げ去って言った。
疾風のように現れて、疾風のように去っていった──
あの白いおじさんは一体なんだったんだろう……。





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