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9/4 イタチは感謝を表現する
仕事の準備をゴソゴソとしていたら、ナッくんが起きて来た。
『ミルク?』
「違うよー。ミルクはついさっき飲んだばっかやろー?」
熱烈に見つめてくる。
『ミルク? ミルク?』
「さっき飲んで満足したはずやろー? あんまりミルクばっかり飲んでたらアホになんでー」
じっと私の前でお座りしている。
私が移動すると、急いで追いかけてくる。
『ミルク? ミルク? ミルクなの?』
「……しょーがないなぁ。ちょびっとだけだよ?」
私がミルク缶に手を伸ばすのをじっと目で追いかける。
お皿に粉を入れると、確信したようで、小躍りした。
そっと私のほうへ寄って来て、太ももの裏にキスをしてくれた。
感謝の気持ちの表現のように見えた。
お皿の粉に水を入れると、『はよ、寄こせや』と手で奪おうとする。
『はよ! はよう! そのミルク飲ませろ!』
一瞬だけでも感謝の気持ちが嬉しかった。





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