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9/1 ナッくんがしっぽを踏ませに来ます
最近、ナッくんを踏んづけていない。
じゅうぶんに気をつけているし、どうしても踏みそうになった時はコケるようにしているからだ。
それでもナッくんのほうから踏ませに来る時があって、その時は遠慮なく踏ませてもらっている。
キッチンに立って料理をしていた。
ふと足元を見ると、白いイタチが横向きに寝そべっている。
私が少し浮かせた足の下に、そっとしっぽを忍ばせて来た。
軽く踏んであげた。
ナッくんは気持ちよさそうに目を細め、まったりとしている。
「ふふ。ナッくん、しっぽ踏まれてるよ?」
そう言いながら、しっぽを踏む力を少しだけ、強くしてみた。
ナッくんが、びっくりしたように顔を起こした。
『うっ……、うわあああっ!? 踏まれた!』
そんな感じで慌てて立ち上がった。
洗濯機の横に逃げ込んだ。
顔を半分だけ覗かせて、犯罪者を見る目でじっと見つめてきた。
いや……あんたが踏ませたんやろがい……。





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