349/770
8/11 飼い主の足に寄り添うナッくん
私が立ち上がるとナッくんも顔を起こす。
ずっと座椅子の側で寝転んで、私を見つめていたが、私が移動するのを悟ってナッくんも立ち上がる。
「カレーの様子、見てくるだけだよー」
涼しい居間にいてほしいのが、私が移動したせいで、暑いキッチンにナッくんもついてくる。
カレーを混ぜているあいだ、ずっと私の足元にくっついて、お腹を上にしてじっと見上げている。
歩くとまたついてくる。
ずっと足にひっついているので、気をつけていないと踏んでしまう。ようやく私も学習して、最近は踏まなくなったものの……。
「なんでそんなについてくるの? 邪魔なんやけど……」
『飼い主、おまえは重度のコミュ障だからな。おれが側についててやらないと心配なんだ』
「ナッくん……」
『飼い主……』
「迷惑だからやめて」
とか言いながら、ついてきてくれなかったら寂しくなる飼い主だった。





by