6/19 水ミルク
ナッくんがウロウロしはじめました。
どうやらミルクを探して旅している様子。
この部屋のどこかにミルクの湧き出る泉でもあると信じているような動き。
「ナッくん、水飲みよ。さっきから見てると全然水分取っとらへんやん。なろうのエッセイで寝てる間に熱中症で死にかけた人おるで」
聞く耳もたず、ウロウロウロ……。
「ほら、ガラス皿に水入れたるから」
ミルク用のガラス皿に水を入れてあげると、すぐに飛んで来ました。
中身を確認するなり興味をなくし、またあっちをウロウロ……。
ミルクしかいらないんだ!
そんな感じ。
もし、今、この水に──
ほんのちょっとでもミルクの味をつけたら──
飲むのだろうか?
実験開始!
水の上に、ほんの一つまみ、ミルクの粉を入れてみました。
ミルクというより、水ミルク。
氷が溶けたあとのカルピスより薄い。
いつもの完成品ミルクの300倍は薄い。
私がミルクの缶を開けたのにすぐさま気づき、やって来ました。
そしてクンクン水ミルクの匂いを嗅ぐと、齧りつくように飲みはじめました。
いわばミルク風味の、ただの水なのに……。
ミルクの匂いがついていればなんでもいいらしい。





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