2/10 目覚ましフェレット
久し振りに部屋のお布団で寝た。
時間は23時半。
目覚ましを5時にセット。
5時間以上も眠れるなんてほんま久し振りだなと思いながら、あっという間に意識がなくなった。
私の鼻の頭をペロペロ舐める何かがいる。
目を開けると可愛い顔がドアップ。
時計を見ると、5時17分だった。うわぁ……、目覚ましまったく聞いた覚えがない。
「起こしてくれてありがとう」
そう言いながらナッくんの頭を撫でた。
もふもふした感触が気持ちいい。
あまりの気持ちよさに、再び夢の中へと入って行った。
バリバリバリ!
「いたたたたた!」
素肌を爪で掘って来るやつがいる。
見事にスウェットの上下の間を狙い澄ましている。私が痛がる場所を知っているのだ。
時計を見ると5時37分。
まだ20分しか寝てないじゃないか……。
「邪魔せんとって!」
追い払うと、白いイタチはすぐに顔のほうへ回り込んで来た。
『早く起きろや』みたいな顔で、どアップで覗き込んで来る。
いいんだよ。時間は1時間半以上も余裕みてるから。
眠いんだ。布団が気持ちいいんだ。寝かせてくれ。
起きて顔だけ洗って朝ごはん抜きですぐに出ればギリギリ間に合うんだから。6時半までに出れば……いや7時までに出ればなんとかギリッギリで間に合うんだから。
「ねーむーたーいーのー!」
掛け布団をかぶって反抗するが、イタチは容赦がなかった。
布団の中を駆け巡り、足を噛み、背中を掘り、顔に向かってフンフンフンフン!と息を吐きかけてくる。
「わーかった! 起きる! 起きればいいんでしょ!」
5時51分。イタチのお陰で起きることが出来た。
いざ起きてみれば感謝しかない。
ドタバタと準備をしながら、ナッくんにお礼をせずにいられなかった。
ミルクをややあったかめにしてあげた。
ちなみに面倒臭い時はペットボトルの冷たい水で作る。
『これこれ! これのために、おれはおまえを起こしたんだ♪』みたいに嬉しそうに飲む。
こうすると本当は『寝てるのを起こせばミルクがもらえる』と学習してしまいそうなので、やりたくないのだが……
幸いこの子には学習能力というものが欠けている。
起こしてくれた感謝を全力で伝えることが出来た。





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