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ナッくん日記【フェレットとの生活】  作者: しいな ここみ
2022年 12月

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12/24(2)ごめん、忘れるところだったね

 今日12月4日はハルくんの誕生日です。


 生きていれば4歳。

 まだようやくこれからシルバーエイジという年齢でした。


 ナッくんとはまったく性格もすることも違って、とにかくいたずらが壮大でした。




 ナッくんを車の中に連れて入って放すと、必ず後ろの座席の下に潜り込んでじっとします。

 慣れない場所が怖いらしくて、私が抱っこするまでずっとそこで怯えています。


 ハルくんは車の中を信じられないほど壮大に冒険してくれました。

 リードをつけたまま放すと、いつの間にか姿が消えてる。

 リードが信じられないところから覗いてる。

 助手席の足元にあるプラスチックの狭い隙間から、リードだけがひょろんと出てる。

 車の中の『中』まで入って行っちゃった!


 オートマチックシフトのレバーのケースを外してみると、ちょうど細長いイタチがすっぽりはまり込むぐらいの輪っかがあって、そこにタヌキ色のイタチがすっぽりとはまり込んでいました。

 どうやら冒険はそこまでで動けなくなってしまった模様。


 車屋さんに依頼しました。


「イタチがはまり込んで取れなくなってしまって」と説明すると、おじさんとお兄さんが意味がわからなそうな顔をしました。

 見せると、見たこともない動物がシフトレバーの下に捕らえられていて、顔は肘掛けの下にあって見えない。

 お兄さんが肘掛けを外してくれました。

 ハルくんの顔が「やあ」みたいな笑顔で現れました。

 お兄さん、それを見て明らかにデレッとしてました。




 何をも怖がらない子でしたが、一度だけハルくんを怯えさせてしまったことがあります。


 自転車で近くの山に出掛けたのですが、ハルくんも一緒に連れて行こうと思い立ち、リュックサックの中に入ってもらいました。

 様子が見えるようにファスナーを少し開けて、背中ではなく前に、『背負って』ではなく『胸負って』、秋の山へ出掛けました。



挿絵(By みてみん)

愛車ジャイアントATX(なぜサドルがこんなに高くなってるのかは覚えていない)



 目的地に着いてリュックサックを開けてみると、ハルくんがブルブル震えてました。

 私を見上げて、罠にかかった野生動物のような目をしていました。

 さすがに暗いところに閉じ込められて、外からガタゴトと音がしていたら、怖かった模様。

 でも外に出してあげると、しばらくじっとしていてから、すぐに元気に遊びはじめました。



挿絵(By みてみん)

排水溝をこれから飛び越えるハルくん




 ごめんね、忘れるところだったね。


 生まれて来てくれて、ありがとう。


 いつまでも忘れないからね。



知らない人が大好きな子だったので、最後まで公園へ連れ出していました。

無理はさせないように、安静にはさせていましたが、子供たちが寄って来ると、元気な時と変わらない愛想のよさで人気者になっていました。

子供たちにはもちろん、不治の病にかかっていることは隠しました。


挿絵(By みてみん)

この写真を撮った日の夜に天国へ行きました。


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― 新着の感想 ―
[一言] ハル君・・・。 切ないな~~。 未だに愛犬の事を忘れられない柴犬には辛い話です。
[一言] あ、忘れてた。そろそろ『猫バンバン』やらなきゃ。
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