7/31 トイレの時は真剣な顔
「ナッくん、ミルクあげようか?」
私が言うと、興奮して駆け寄ってくる。
ミルクの粉を入れてる時から待ちきれずに、お皿の中をくんくんする。
粉を吸い込んでふるるっと震える。
「いっっつもそれするやん! 学習しいな(笑)」
私が言うと、
『よし、飲む前に出しておこう!』とばかりにトイレへ走る。
トイレには必ずバックで入る。
つまり顔はこっちを向いている。
しっぽをぴんと高く上げ、足を突っ張って、お尻をぷるぷると動かす。
じっとこっちを見てる。
この時だけは真剣な顔。
いつものアホと同じ動物とは思えない。
出はじめてる。
顔でわかる。
口が小さく開いて、『あっ』みたいな顔になる。
『見て見て。うんこ出てるよ。出てる、出てる。うんこ出てるよ、ぼく。ほら、うんこだよ。うんこがうんこが……ああっ、うんこがぁ〜……ふるふる』
済んだらまた駆け寄ってくる。
私はお皿に水を入れてかき回しているところ。
二本足で立って中を覗き込もうとしてくる。
お皿を高く持ち上げて阻止しても、私の腕によじ登る勢いで覗き込もうとしてくる。
「はい、どうぞ」
お皿を床に置くと、待ってましたとばかりに飲みはじめる。
ぺろぺろ、ピチャピチャ……
ナッくんにとっても、私にとっても、至福のひととき。