魔族の学園に転入 中編
学園長室に入室したシリルとゲール。
「儂が学園長のヤコボだ。 特待生と聞いていたが、チビの混魔族もいるのか。 まぁいい、純魔族はそこに座りたまえ。 そこのチビは彼の後ろで立ってろ」と突然言うのである。
ゲールが何かいおうとするが押し止まり、いわれた通りにゲールは座り、シリルはゲールの後ろに立っている。
シリル:「ゲール、言われた通りにするんだぞ」
ゲール:「でも、こやつ魔王様に失礼すぎます。」
シリル:「これも任務だぞ。」
ゲール:「わかりました」
という念話があった。
ヤコボがゲールの前に座る。
「儂は純魔族としか話したくないんでな。 君が話せ。 名はなんだ?」と失礼なヤコボだ。
「私がゲールです。 後ろの彼がシリルです。」
「魔皇帝様からの紹介だ。 仕方なしにこの時期に転入を特別に認めてやった。 まぁ、2年の後期も始まって1週間だ。 せいぜいがんばってくれ。 ちなみに、後期の成績が悪ければ、特待生は免除になる。 せいぜいそこのチビはがんばるんだな。 ゲール君には期待しているよ。」と鼻もちならない言い方でいうヤコボだ。
すると、学園長室の扉がノックがされる。 ヤコボが返事をすると、身長210CMの筋肉隆々でがっちりした如何にも体育会系の瞳は赤で髪は角刈りで色は濃紺の男が「学園長、およびですか?」といいながら入ってくる。
「マルコ先生、彼らが例の特待生です。 座っているのがゲール君で立っているのが混魔族のシリルだ」というヤコボに、マルコがシリル達のほうをみて「俺がSクラスの担任のマルコだ。 ゲール君、シリル君よろしくな。 もう、始業が近いんでな、歩きながらはなそう」といい、「では、学園長失礼します」という言葉で、ゲールは立ちあがり黙ったままシリルと退室するのだった。
ゲールの中では、ヤコボに対してふつふつと怒りがわいているのだ。
なんせ、愛され魔王のシリルを侮辱する言い方が許せないのである。