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マジであった夢の話

作者: Liam

 夢とは、 睡眠中あたかも現実の経験であるかのように感じる、一連の観念や心像のこと。睡眠中にもつ幻覚のこと。普段の生活で起きた出来事や脳に蓄積したあらゆる情報を整理するために夢を見ると言われている。

 でも時々変な夢を見ることがあるだろう。悪夢だったり、楽しい夢だったり。

 これは、僕が実際に見た、悪夢でも楽しい夢でもない奇妙な夢である。


 ◆


「え…な、なんだこれ…デスクトップパソコン?捨てたのか?7のようだけど…」


 とある日の夜。僕は家から20分のところにあるスーパーに用があった。だから、そのスーパーに向かう途中の話である。

 家から歩いて10分頃に僕は電柱の横に奇妙なものを見つけた。


 テレビサイズのデスクトップパソコン。


 学校でよく見るあの机に、テレビ並みの大きさのデスクトップパソコンが置かれている。物凄く奇妙だ。そのモニターにノートパソコンのようなキーボードがついているのに、有線のコンパクトなキーボードもある。

 な、なんなんだ?これはなんなんだ?これは、粗大ごみとして捨てられているのか?それか、ご自由にお使いくださいというやつか?


「す、すげえ…!なにがなんだかようわからんけど、とにかくすごい!写真とっとこ!」


 スマホを取り出し、カメラを起動。

 デスクトップパソコンから少し離れると、そのスマホの画面越しにパソコンが見える。フラッシュをオンにしてよく見えるようにし、パソコンの全てが映るようさらに離れた。


「よしよし、このくらいが良き…」


 バタッ!!


 僕は、スマホでパソコンを撮ることに夢中になっていた。撮る前に周りに人がいないか確認したとはいえ、周りを全く気にせずにカメラばかり気にしていた。

 そのパソコンをしっかり撮るために離れていたら、同い年くらいの男性にぶつかってしまったのだ。


「あ、すいません!大丈夫ですか?」


 悪いのは僕だから、僕はすぐさま謝る。

 良かったことに、その人は倒れていなかった。寒さをしのぐようなポーズで押されても倒れなかったのだ。

 街灯の灯かりで、相手の服装がよく見える。白い上着に灰色のズボンで眼鏡のオールバック。


「ねぇ、キミ、何歳?」


 その人は僕の「大丈夫ですか?」という質問に答えず、率直に、そしてストレートに訊いてきた。

 この人もなんなんだ!?初めて出会ってすぐに年齢を訊いてくるだと!?

 一体全体どうなっている?この町は今晩からおかしくなるのか…!?


「あ、○○歳です…」

「うへへぇっ!!」


 でも、僕はなぜか、その変人っぷりを一切気にせずに答えた。答えてしまった。

 まぁ、テンパったおかげで本当の年齢のいくつか下を答えてしまったから、この変態に実年齢は知られていない。

 そこは安心としよう。問題はこれからだ。


 この変態は、それが嘘の年齢だとしても僕の背中に抱き着いてきたんだ!!


 なんという変態!世界にはいろんな人間がいること、改めて思い知らされた。とにかく僕はその変態から一目散に逃げる。僕の足は速いから大丈夫だろう。奴も追ってきてはいるが、僕に追いつくほどの足の速さではない…。

 こいつは、はぁはぁと息を荒くしながら、物凄いスピードで向かってくるほどの奇妙な人間ではなかったのだ。それだけは本当に良かった。もしそうだったら、気絶も失神もあり得た!


「…あいつはまだ追ってきてる!このままスーパーで撒こう!」


 そう、僕の目的はスーパーの商品。こいつに追いかけられるために外へ出たわけじゃない。

 一刻も早くスーパーに向かって走れ…!走るんだ!

 とりあえず僕は今スーパーの入り口に1分で着く場所にいる。スーパーのすぐそこってわけだ。

 あの変態の姿はここからじゃ見えない。奴は追うのをやめたか?


「んーまぁ、諦めてくれりゃ楽なんだけどな…」


 まぁいい。変態のことは忘れて買い物をしよう。


「えーっと僕がここで買うものは、明日の海苔巻きせんべいだろ?あと、冷凍食品のアメリカンドッグとエビフライ…あとマッ缶か?」


 僕の買い物も、随分変な組み合わせだな。

 買い物かごを手に取り僕は店内へ入っていった。


「しーじーまーのー、そーこかーらー…ん?」


 でも、そのスーパーに入った途端、僕は買い物かごを思わず落としてしまうほどの衝撃を受けた。


 そのスーパーは()()()()()だったのだ!(?)


 入口から目の前にある2階への階段と、1階の左側が全て、物凄く雑に封鎖されている。この時間帯で利用できるのは右側のみ。

 なぜかレジもない!レジは左側だ!

 今この時間帯で買い物かごに入れられるのは、にぎっ太郎という細長い人形と、ハロウィンの仮面。あとは残念ながら作者が覚えていない!


「海苔巻きせんべいがあるお菓子コーナーも、アメリカンドッグやエビフライの冷凍食品コーナーも、マッ缶がある飲み物コーナーも閉鎖か…。来た意味がない!」


 でも、ないものはないのなら、僕はここにいる意味なんてない。頭を掻きながら、僕はこの買い物かごをしまおうと入り口に戻っていった。


「ねえ、そのかご、使わないの?」


 突然のこと。僕は、突然目の前の女性から声をかけられた。

 その女性はそこそこ綺麗な人。あの、T〇kTokでよく見かける人に似ている。


「あー、そうですね。使わないんで、これから買い物ならどうぞ」

「ありがとう」

「はい」


 もうすぐそこに入り口があったんだ。話しかけなくても、そこから取りに行けばいい話だったのにな…?

 まぁいいや。ないものはなかったし、とにかく帰ろう。

 それより今夜は散々だ。変態に追われるし、スーパーは深夜モード。嫌なことしかない。


「変態が追ってなけりゃいいんだけどなぁ…」


 僕は入り口を出て、家へと戻ろうとした。目の前に、大学生くらいの人達が数人集まっている。


 その中に、あの変態らしき人がいる…!


 白い上着に灰色のズボンで眼鏡のオールバック。今は夜だし、僕は目が悪いからよく見えはしないが、あのときの変態と物凄く似ている格好…!

 どっと汗が噴き出す。大学生達の少し後ろにいるから、紛れようとしているのがバレバレ。

 大学生達が街灯の真下に来た。やはり、白い上着に灰色のズボン。

 さらに汗が全身から噴き出してきた。全身という全身の汗腺から出る1滴1滴の汗が、尋常ではない!


「警備員さん!助けてください!僕、あの白い上着に灰色のズボンの男に狙われてるんです!多分、性的な意味で!」


 僕は、子供らしく、誘拐犯から逃げるかのようにスーパーの警備員(?)に助けを求めた。

 そんな行動、僕の年齢にあっていないというのに…!


「な、なに!?そいつはどこにいる?」

「あの人達の間に紛れてるはずです!」

「あいつか…!」


 よし、ひとまずはこれで安心だ。

 警備員はしっかりした人間…。間違いなく変人ではない!


「いやぁー、君はちゃんとしてるね」

「…へ?」

「なぁ、助けを求めるほど慎重ってすごいよな?()()()()()()()()()、変態1人にわざわざ助けを求めるなんてねえ。30歳なったら金持ちになれるよ」

「え、えぇ…?」


 この警備員は、すぐそこにいる同僚の警備員にまで「こいつすげえよな?」と話しかけていた。僕からしては煽りにしか見えないが、その同僚の警備員も「うんすげえよ!」と首を縦に振っている。

 でもまぁ、とりあえずだ。

 警備員の後ろに隠れてれば流石にあの変態も近づけはしない。これで通り過ぎたら、警備員に礼言ってさっさとここから去ろう。


「でさー、俺この前やっちまったんだよねー」

「お前なんかやっちまったのレベルじゃねえだろ。俺はもう1年留年だよ」

「おっ、もう1年遊べるドン」

「〇すぞ」


 そんな会話の大学生の後ろらへんに、さっきの変態がいたはず。いるのか?通り過ぎるのか?

 いや、身長があってない!あのときの変態はこんな高身長のイケメンじゃなかった!


 What(なんて) the(こと) fudge()!!!間違えてやがった!!


 あぁ、もう!!なんてややこしい服装なんだ!おかしいだろ!普通こんなよく似た服装があったら、誰だって勘違いすんじゃあねえの!?


「あ、すいません。人違いでした。ほんとすいません」

「あぁっはっはっ、じゃあ私が君が家に帰るまで守ってあげよう」

「え?えーっと?それはどういう?」

「そのまんまの意味だよ」


 僕が警備員に謝り続けていると、警備員は笑ってそんなことを提案してきた。

 僕はこれでも結構大人なほうなんだけどなぁ。この警備員、僕を誘拐しようとしているのか?飴に釣られないこの僕を?


「あぁ…はい…?」

「うん、行こうか」


 僕は首をかしげただけなのに、警備員は僕の返事を無視してスーパーから離れていく。

 な、なんだろう。この警備員、僕の家知ってるのか?あたかも当たり前のように僕の家に向かって歩いていくのだ。

 …僕を置いて。


「んーまぁ、変だけど、いないよりはマシなのか…?」


 とりあえず、僕はしっかりと僕の家路を歩くこの警備員についていった。


「それで、今日どうよ?」

「あぁ、今日?いつもんとこ行っちゃう?」


 なっ、この警備員…通行人と話している…!

 なんなんだマジ!この町全体がトチ狂ったか!?僕よりも先を進んでいくし、平気でそこらへんの通行人に話していくし、なんだったらこの人はスーパーの警備どうしたんだ!?

 まぁ、今夜は変な夜ってだけだ。どうせ明日になりゃ元に戻る。

 僕はそう思い、何も考えずに前へ進んだ。


「そういや、さっきから道にクッキーが落ちてる。あのあたおか警備員は気付いてないようだけど…」


 妙だと思い、僕はそのクッキーの断片を拾ってみた。

 なんか見覚えが…?これ、イ〇ウ製菓のバタークッキーじゃないか!著作権で〇されるぞ!作者が!


「あの変態が落としていったのか?なんたってそんなことを…」


 まぁ、さっきも言った通り、今夜はこの町全体がトチ狂ってる。変なことを深く考えるのはよそう…。

 ほら、すぐそこに僕の家が見えてきた。信号渡れば、もうすぐそこ。僕はいつの間にか警備員を追い越していた。


「よし、変態に会わずに家へ帰ることが出来た!ついでにあのデスクトップパソコンももうなくなっている。いやそれは、どうでもいいか…」


 警備員はきっと後ろだろう。

 とにかく今日はもうさっさと寝ようか。


 ところが、僕が普通に家へ帰れるわけもなく…。


 僕が走り始めた途端、重力が傾きだした。横になったんだ!僕はうわわわぁっと地面に尻餅をつきながら下へ滑っていく。

 そして、なんかのはずみでその尻餅をついた地面から離れてしまった。


「うわぁ!やめろぉ!だぁーっ!!」


 僕は下(?)に落ち続けた。

 真下には一軒家が1軒。そこに足がつくかもしれない。大丈夫だ。僕はこの地面からまだそんなに離れていない。

 このまま一軒家に足をつけば、ひとまずは延命できる。宇宙のかなたに飛ばされないで済む!


 シュゥゥゥーッと落ちていき、やがて僕は、嬉しいことにその一軒家に足をつけることが出来た。

 なんとか延命できた!落下死しなかったのは変だけど、なんとか延命できたぞ!


「ふう…それはそうと、この一軒家に住む人に迷惑かけたな…急に壁がドンッ!ってなったら、そりゃ驚くだろうねぇ…」


 僕はとりあえずこの重力をなんとかしてみようと、縦になった地面に足を吐く。すると今度は重力が反転した。地面が真上にある!

 僕は…さらに大変なことをしてしまったようだ…!!


「どうするんだ…!!どうするんだ!?」


 息をいっぱい吸い、限りなく大きな声で叫んだ。



「こっからどうすんだよぉぉぉぉぉー!!!!」


 ◆


「はっ!」


 起きると、そこはいつものベッド。

 …夢だったのだ。変態に追われたのも、スーパーが深夜モードだったのも、警備員に助けを求めたのも、重力が傾いたり反転したりしたのも…全部夢だった。


「この夢、ツイートしとこ…」


 こんな変な夢で目覚めるのも嫌だが、とりあえず朝だ。おはよう僕。

 さっさと起きて、今日は夜までに海苔巻きせんべいと、冷凍食品のエビフライやアメリカンドッグと、マッ缶を買ってこなくちゃあなぁ…。


 ………ん?


【終】

 はい、マジで見た夢です。

 多分、その夢を見た日は電池を買おうとしたけど金が足りなくて2回ぐらいそのスーパーへ行ったのがそのまんま夢になったのかと思います。

 すべて全く同じとは言えませんが、まぁそこそこ鮮明に覚えていた夢だったので、とりあえず世に出すことにしました。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。


 では、また会う日まで。

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