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路地裏の片隅で
あなたは知っているだろうか
「ねぇ、知ってる? 」
ごくりと唾を嚥下して
あなたの魂を狙う
彼らの存在を
「耳がちょっと尖ってて、頭にツノがあってさ」
いつ手元に訪れるかを
舌舐めずりしながら待つ
その牙を
「にぃって笑った時に、吸血鬼みたいに牙が見えて」
ふわりと
足音なく近づくための
その羽根を
「背中に羽根が生えてるんだって」
少し入り組んだ路地の向こう
夜を纏ったその街に
誰が呼び始めたのか
「悪魔」がいるらしい
手を伸ばせば
すぐそこに
彼らは
私たちの魂を
待っている
闇に浮かぶ瞳は輝き
濃艶な紅をのぞかせた舌に
そのご馳走が乗るのを
待っているのだ
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