転生
海野 透 18歳。人は誰しもこの男をこう呼ぶ。
≪ニート≫だと。彼は、四六時中部屋に引き篭り、高校にも行かずゲームをやりこむだけやりこむという典型的ニートであったぁ!!
彼はひたすらに両親を困らせ、我が道をゆかんばかりにゲームの道を独走するのである。
しかし、彼もまた一つの信念の元、ゲームをプレイしていたという事だけには称賛を送るべきだろう。
それは……あらゆるゲームに置いてコンテニューをしないという事であった。
彼曰く、
「命って一つだけであるからこそ意味があって、もう一度チャンスが有るのならそれってハラハラドキドキしないじゃん?」
だそうだ。
彼は、数々のゲーム業界で名を馳せている有名プレイヤーで、彼がプレイしている全てのゲームにおいてプレイヤーネームを≪ザ ワン≫としていることから、全てのプレイヤーに恐れられていた。
圧倒的プレイスキルと、数々の死線を乗り越えてきたことで身についた洞察力、その手で必ず奇跡を手繰り寄せる程の運。
そして何よりコンテニューをしないという彼の信念は、他プレイヤーから見ると狂気としか感じられず、彼を観る他のプレイヤーの目
は恐怖と侮蔑の感情で入り混じっていた。
そんな彼……透だが、容姿は割と整っていて、真っ白な肌に整った眉、
垂れ下がっている目にスッと綺麗な鼻。
彼は勿論男だが、中世的な容姿も相まって、年上の女性に可愛がられるそうな。
彼は自分の容姿についてどう思っているのか訊ねられると、一貫してカッコ悪いというそうだ。自分的には妹や弟に好かれたかったのでかっこいい顔が良かったと。
そう、彼は無類の小さい子好きなのであったぁ!!
……ま別に心底どうでもいいが。
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………
……
…
「やっと…レベルカンストしたぁ……長かったなあ……」
「じゃあ別ゲーするかぁ……(ガサゴソ)…ん?こんなゲームあったっけ?」
「『貴方は魔物です。どの種類の魔物になりますか?』だって!ぶふっ
何だこれ……面白そ〜……」
「じゃあ……『サンドワーム』になろっかな。この口の部分が何ともたまらないんだよな…」
ポチ
『転生開始します。』
カウントダウン…
3…
2…
「なにこれっ?!!頭に直接つうぅ!!」
1…
「やっやめ…」
0
ビシュン。
『転生完了しました。』