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探索パーティー

 次の日・・・・・・郊外の森の入口広場でたくさんの生徒が集まっていた。


 「ではこれからパーティーを組んでもらう。8人1組で1パーティーだ。他のクラスの生徒と組んでも良いぞ。森の探索には信頼できる仲間が必要だ。その為、仲の良い友達と組むのも良い。但し前衛役と後衛役をバランスよくな」


 戦いでは前衛の盾役・攻撃役、後衛の支援役・魔法攻撃役・弓役等に別れる。つまるところ、前衛ばかりだと魔物によっては攻撃しづらい状況がある。例えば魔法を使ってくる魔物やヒットアンドアウェイを使ってくる魔物の場合、どうしても遠距離攻撃が必要になる。また劣勢になった場合、支援役が居ないと全滅する恐れも出てくる。逆もしかりで前衛が居ないと敵の意識を集中させる事が出来ないので、なかなか攻撃のスキが出来ないからだ。


 「リーナ、俺達と組まないか?」


 そう言って来たのはクラスの中でも優秀な生徒達だった。どちらかと言うと前衛と支援役に特化しているため、魔法攻撃役を探しているようだ。リーナはクラスでも優秀な魔法使いのため誘われるのは目に見えていた。実際他の生徒達もリーナの方をチラチラと見ている。


 「うん良いよー、ハルも一緒でいいよね?」


 するとあからさまに嫌そうな顔をする生徒達。まぁ解らないでもない。俺の実力は授業中で既に知れ渡っている。剣技は下手な上に魔力も少なく魔法使いとしても微妙だ。リーナとは逆の意味でクラスで1・2を争う出来損ないってやつだ。


 「いやハルバートは必要ない。大体俺達と一緒のレベルじゃないし足手まといになるよ。彼にとっても同じレベルの人達と組む方が良いと思うんだよね」

 「そっかー、ん〜じゃあ私も遠慮するわ。他の人達と組むよ」

 「なんでだよ、俺達と組む方がリーナにとっても良いだろ? レベルの高い俺達と探索をする方が絶対良いはずだ。ハルなんて役に立たないだろう?」

 「あーそういう感じ? まぁ誘ってくれたのは有難いけど、やっぱり良いや。それに先生も言ってたじゃん、信頼が大事って。そう考えると私はハルと一緒にいる方が安心だしね」


 チっと悪態をつきながら彼らは踵を返す。


 「リーナ、せっかくの誘いだったのに良かったのか?」

 「良いのよ、私はハルと組みたいし」

 「そうか・・・・・・」


 俺は嬉しいような恥ずかしいような気がして、何とか頑張ろうっと思うしかなかった。


 「リーナ、よかったら私達と一緒に組まない? もちろんハルバート君も一緒にお願いしたいんだけど」

 「良いよー、実は私もミアに声を掛けようと思ってたんだ。弓役と支援役が欲しかったからね」

 「そうなんだ、良かった。ハルバート君もよろしく」

 「ああ」

 「ハル、嬉しいならもっと感情表現しなきゃ。ほんとにいつまでたっても人見知りがなおらないよね?」

 「それより俺たちは今5人で後3人必要だ。特に前衛役が必要だ」


 そう話しているとあぶれている3人組男子と目があった。いつも俺と成績を最下位で競い合ってる奴らだ。涙目で訴えかけてくる。そうだな、そうだよな。。


 「彼らでも構わないか? 彼らとはたまに話すが悪い奴らじゃない」

 「うん私は良いけど、ミア達は?」

 「いいよー」

 「って事で一緒に組まないか?」

 「ハル君! 誘ってくれてありがとう、この恩は必ず!」

 「いや、そんな大層な」

 

 そんな話をしていると嫌な奴がこちらに向かって来た。


 「リーナ嬢、お元気そうで何よりだ。しかしまたハルバートみたいな使えない奴と組むとは。よっぽど君のクラスには能力の高い生徒が居ないようだね。どうだい私の所に来ないか? 華麗なチームワークで優雅に探索しようじゃないか」

 

 話掛けて来たのは皇族の息子クライス・スタンレー。取り巻きと俺の方を見て笑いながら、リーナに誘いをいれて来た。実際彼らは実力者だ。王子も剣技に長けているし、取り巻きの生徒もそれぞれ能力が高い。しかしリーナは即答する。


 「いえ、結構です」


 えっ・・・・・・よくそんな事が言えるなっと周りの生徒達はドン引きだ。


 「なんだって? 今なんて言った?」

 「もうパーティは組んだのでお誘い頂かなくても結構でございます、王子」

 

 おいおいそんな挑発的な言い方しなくてもっと考えていると、よっぽど悔しかったのか? 俺の方を睨んできた。何故俺を睨む。


 「まぁいいさ、ハルバートみたいな足手まといと組むことの辛さを、君も知ることになるだろうね」


 そう言いながら取り巻きを引き連れ自分たちのクラスに戻って行った。


 「本当になんなのよ、みんなハルを除け者にしようとして」

 「いや、そんな怒らなくても。実際事実だしな」

 「何言ってるのよ、ハルは出来る人だって皆知らないだけなんだから。いつも訓練で私に勝ってるし」

 「えええっ? ハルバート君、リーナと訓練して勝ってるの?」

 「いや、そうじゃない・・・・・・説明不足すぎる」


 どう言い訳をしようかと考えていると、先生が集合を掛けた。


 「さてこれからパーティー毎に4箇所ある入り口のいずれかに向かってもらうのだが、同じクラスの他のパーティーは必ず違う入り口になるようにしている。同じクラス同士で情報共有されると探索の意味がないからな。それぞれの入り口は別クラスのパーティーと時間差で入ることになる」

  

 いよいよ探索の時間が始まる。


 「入り口に入ったら後退はしてはならない。必ず全員があの見えている砦を目指せ、なに3日間もあるんだ、余裕だろ。またテントや食料、水等はこれからリーダーに渡すマジックバッグに入っている。3日分しかないから、しっかり管理して食べろよ?」

 「先生、もし食料が足りなくなったらどうしたら良いんですか?」

 「補充はなしだ。しかしこの森には魔物以外にも動物もたくさん出る。それを食べて探索を続けろ」

 

 さらっと難しそうな事を言われて、皆の顔を引き締まった。


 「それではリーナ、お前達は一番左の入り口に迎え、これがマジックバッグだ」

 「はい、解りました」


 どうやら先生が既にリーダーは決めているようだった。と言っても俺達のパーティーでリーダーは間違いなくリーナだ。成績や責任感を取っても彼女しか居ないのはメンバー全員が解っている為、誰も異を唱えず俺たちは入り口に向かった。

誤字脱字、ご感想、ブクマ等頂けますと幸いです。

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